告知と前回の感想リンク

またしても当日夕方の告知。
なんでこんなにギリギリなんでしょうね? 何か意図があるんでしょうか。

前回の感想はこちら。

 

今回の感想

『ガチ』とは

前回があれでしたし、2本撮りのようですし内容が改善されている訳もなく
どうせ不愉快ない内容だろうという前提で見ました。

今回も、プロを呼んできて素人相手にするようなこき下ろしをするだけという
役者へのリスペクトが全く感じられない作り。
普段こんなこと言われないと佐藤流司さんが仰っていましたが
そんなことは当り前で、普通呼んでくるからにはその役者にリスペクトがあって
役者側も自分をこの役に呼んでくれるということは
こういう演技が求められているのだな考えて演技プランを練るのが当然です。
プロだからこそそういうもの。

『ガチ指導』『ガチ演技塾』なんて煽りがついていますが
本当にこういう内容で撮影すると事前に役者さん達に伝えていたんでしょうか?
糸川さんが「ナメてた」とやんわりした言い方で仰ってたところから察するに
『企画意図』が伝えられていなかったのではと思ってしまいます。

『ガチバトル』という煽りもついてましたが、何もバトルになってないですよね。
ただただう大さんが自分の好みを押し付けるだけ、事前の演出もなしにやらせて
「それは違う」と言うだけ。これを『指導』とは言いません。
バトルならバトルで、流司くん辺り解釈の違いに納得いってなさそうでしたし
そこで議論をさせるとかでも良かったのではと思います。

 

なぜ役者が言われっぱなしなのか

演出家が絶対では無いのに、なぜ役者が言われっぱなしなのか。
しかも”駄目出し”の内容が本当に駄目しか出さず基本的に誉めない。
そういう『笑い』なのならもう少し編集のしようもあった気がします。
う大さんの「俺のファンに刺される」とか「だから呼ばれてる」とか言った言葉は
ネタだったのかもしれませんが少なくとも編集上分かりづらい。
笑いならきっちり笑いにしてほしかったですが、合間に挟まるナレーションでも
「鋭い指摘」「キャリア実績お構いなし」「指導で目の色が変わった」
という言い方なので、恐らく本当に『ガチ』だったのではと思います。

完全駄目出しでは無い場合でも「惜しかった」という前置きも
飽く迄も自分が正解でそれに足りないという
上から目線ですごく失礼だなと感じました。
たとえ誉めても「良かったんじゃないですか」という言い方ですし。

演出家VS役者と言われたら、演技プランの議論を最初に連想しましたが
どう考えても毛色が違う役者を連れてきて「好みじゃない」と言うだけ。
中華料理屋をやりたい店長のところにフランスで長年修行したパティシエを連れてきて
「こんなの中華じゃない」と否定だけして
パティシエの技術や店長の要望も何も伝えない、ただのパワハラ独りよがりでしかありません。

 

2.5を下に見ていないか?

番組自体の作りや、番組のファンの人の感想を見ていると
演技が下手な役者、的確な指摘をされたからって怒っている役者のファン
という感じのものを見かけましたが
そもそも2.5の役者を呼んできて、う大さんの好みじゃないのは当り前。
2.5の役者として呼ばれたら普通そういう舞台芝居を求められていると思うのが
プロというもの。
演技の上手い下手ではなく種類が違う訳で。

そして演出は役者の良さを引き出すもののはずで、駄目出しは否定をする為のものではありません。
全然方向性の違うものを集めて、一方だけを間違いとするのは不愉快です。

普通この人と演技したいと思って呼ばれているのだから
演出家としても役者に対して一定のリスペクトはある訳で、
そうではない否定のコメントに対して
「打たれ慣れてない天狗の役者」みたいに言われるも非常に不愉快でした。

 

アンフェアな内容

2.5役者をどういう扱いをするつもりで呼んできたのか本当に企画意図が謎で
正直リスペクトがあったとは感じられなかったので敢えて言いますが
「自分は小劇場系から幅広く舞台をかなりの数見てきました」。
『2.5だから浅い』のではなく単に種類の違いです。
況して今回呼ばれていた役者さんたちは2.5の舞台でしか活躍していない人達
という訳でもなく、ドラマや映画、ストレート、ミュージカルなどなど
幅広い経験があるのですから、
演出=役者と話し合って芝居を作り上げる のではなく
う大さんの中に正解が用意されていてそれ以外は不正解 なのなら
せめてこういう方向性で、と事前に演出くらいつけなければフェアではありません。

 

要は好みじゃないだけですよね?

う大さんの好みじゃないというだけのことを延々と見せられ
たまに好みに掠った時だけ微妙に誉められる程度。
これ本当に誰が特する企画なんでしょうか?
役者のファンで楽しかった、良い企画だったって人いたんでしょうか。
う大さんのファンはずばずば『ガチ指導』していて面白いなって感じなんでしょうか?

もう一度敢えて繰り返しますけど、自分は2.5しか見ない人ではないんで
2.5じゃないから、という意味ではなく言いますが、
う大さんの脚本も演出もすごく好みじゃないです。
阿久津さんに対して一応お手本読みみたいなのがありましたけど
ちっとも良いと思いませんでした。

サンプルで出している脚本を見ても、小劇場系のストレートの
寒めの演技が好みな人だろうという感じ。
多分この人の好みは糸川さんや田中さんで、しかもそれも消去法で
流司くんや裕月さんの演技は嫌いなんじゃないかな。
因みに私が今回ので好きだったのは流司くん兄と裕月さん弟でした。

脚本の内容がすごく寒かったです。
特に思ったのが、兄弟の芝居の時に
流司くんにも安里さんにもケチつけてましたが
じゃああなたの思う「普通の兄」ってなに? って思いましたね。
流司くんの兄が自分のキャラも生かして強い感じで作ってきているのを
「強すぎる」って言ってましたけど、そうでした?
寧ろ見る側にあの演技を見ての読解力が無いだけでは……。

裕月さんの弟に「惜しかった」として
そんなこと言うなよですぐ泣いちゃう方がいいって言ってましたが、
そんなに速攻泣かれたら気持ち悪いんですが。
兄の一言ですぐ泣く弟なんだったら、昔から泣き虫でまた泣いてるっていう
流司くんの解釈寧ろ正解じゃないです?
そして強めのキャラで作ってきたんだから、弟が泣き出したからって
あたふたする訳がない。
役者の役作り全否定で「そうじゃない」。
その役作りなら確かにそれがハマるね、とかじゃない。
だったら自分の脚本の意図を初めから説明したらどうでしょう。
台詞から読み取るだけなら演出ではなくオーディション。
かもそれは正解ではなくて演出家の好みなだけ。
国語の文章問題と同じ、この時どんな気持ちだったか、なんていう
正解の無い、あるとしたら作者しかわからない
本当は作者にもわからないような問題に対して答えを求めている不条理さ。

個人的にびっくりしたのが、店が潰れていいという台詞は
弟を傷つけるつもりで言って欲しい、というところ。
えっ、憎まれ口とかじゃなくて? 本心を隠して言ってるけどツンデレの裏返し
とかじゃなくて??
自分はそう思ったんで、解釈的にはやっぱり流司くんの
お店継ぎたくなくて出ていって、戻ってきたけど自分が継ぐのは違うし
弟に感謝してるっていう強めの性格のお兄さんってのがハマると思いました。
だいぶわざと荒い感じのお芝居に持っていってたなと感じたので。
荒いといってもヤンキーな訳でもなく、ちゃんと普通の人の強さでしたけどね。

 

結局どういう企画意図だったのか

『売れてる』佐藤流司を連れてきて特別扱いしてYoutubeまで作っておいて
本編では常に一番低評価にして
ただただう大先生すごい、演技がまともにできない2.5ごときで天狗になってる役者の鼻っ柱をえらい作家先生がへしおってやるぜ
って感じだったんでしょうか?
ちょっともう本当に謎です。誰特なんでしょうこの番組。

役者に対して失礼すぎる企画でびっくりしました。
演出家ってその人を生かす演出をするものでしょうに。

初対面の人もいる中でいきなり台本だけ渡されて色々話し合ってる
役者さんの姿が見られたのだけは良かったです。