鏡はお客さんの瞳という喩え、素敵だと思う。
こっそり人の落とし物を持ち出してまで
トウシューズを履きたかった奏に対して、
滝本先生が頭ごなしで怒るのではなく
ポワントで回るのは楽しかった?と訊いてくれるのが優しい。

梨沙ちゃんとの最初で最後の舞台だから踊りたい
という奏の言葉はほろっとする。
梨沙ちゃんも嬉しいだろう。

翔子ちゃんも良い友だちで、こういう子がいると
習い事も長続きするだろうと思う。

奏は観察眼があって研究熱心なのが良い。
トウシューズじゃないからうまくできない、というのではなく
バレエシューズの良さを引き出す踊りにする為に
男性のソロに自分で辿り着いたのが素晴らしい。
ただこういうアドバイスは先生たちはくれないものなのだろうか。

本番も楽しみに出来るメンタルの強さがプロ向きだ。

梨沙ちゃんは舞台衣装としてでもバレエに関わり続けているのが良かったし、
そう思えたのは奏のお蔭というのも良い。
ネガティブな終わりにならなかったのは奏がいたからこそだろう。

バレエは金がかかるとはよく聞く話だが
両親も金銭面だけでなく設営準備手伝いや挨拶回りなどもしなければならないのは本当に大変そうだ。