ネタバレあり

構成が相変わらず秀逸で、幼い頃のサイクリングのエピソードと絡めながら
弟の心の声がまるで聞こえるようにわかる兄の描写が良い。

ローリーの
「ヒビトはもう宇宙へは行けない」なんて言ってた人達の顔は覚えてないけど
ヒビトが立ち上がる姿は鮮明に覚えてる
という言葉に泣けた。
むっちゃんも近くにいられない時に一緒にいてくれた人だ。

うまくいくかと思うと訪れるピンチはまたしても、
という感じではあるが、宇宙船側のトラブルではないのは一安心だし
地上の工事という一見関係なさそうなことで
こうしたトラブルが起きるというのはなるほどと思った。
工事会社が槍玉に上がらないように、ほとぼりが冷めるまでは原因不明、調査中を貫く姿勢も凄いと思った。

いよいよの再会には震えた。
実際にこんなことがあったら、本当に日本中が夜更ししながら配信の復帰を待つことだろう。
ここまでのいろんな苦労が思い起こされるが
抱き合ったり泣いたりの下手な感動シーン演出にならないところが
ムッっちゃんとヒビトらしくてとても好きだ。

絶対を信じ続けてきたヒビトだからこそ、
星がたくさんあれば”水中の時計”も組み上がる確率が上がる。
そんなヒビトを時に冷静に、時に支えてきたムッちゃん。
二人が月面に立つ姿を、たくさんのみんながそれぞれの思いを抱えて見ている姿もまた泣ける。
シャロンはもちろん、星加さんも感無量だろう。

そしてここにきてのタイトル回収。
更に"It’s a piece of cake"が恰好良い。