舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち
https://stage-toukenranbu.jp/index.html

2019年12月29日のソワレを観に赤坂ACTシアターへ行ってきました。

 

全体的な感想(ネタバレ無し)

今までの舞台は観ていますが生での観劇は初めて。
ミュステどちらも未履修の審神者と行きました。
多少理解できないところはあったようですが
メインの部分は未履修でも大丈夫な内容で良かったです。
座席が2階席だったので、通路での芝居は全く見えず
声だけで何をしているのかよくわからなかったのは残念。

ストーリーは非常に面白く、演出も迫力があり目が離せない展開。
ただやはり今回も、しんどい内容ではありました。
家でシリーズの映像を観ていた時はあまりにしんどくて一時停止して
お茶を入れて一息ついたくらいなのですが(笑)
観劇となるとそうも行かず休憩までしんどいけど
休憩は休憩でしんどいと言う。(苦笑)

岡田達也さんも好きなので出演が発表されたときは
本当に驚きました。
多分2.5に対してニュートラルでは無さそうな感じは多少ありますが
お芝居はやっぱり流石で、信頼と安定の龍馬ぶりでとても良かったです。
思っていた以上に重要な役で、刀剣男士との絡みもあったので
その点も満足です。

セットの動かし方などダイナミックで、
アクロバット要素の強い殺陣も迫力がありました。
第二章の幕開けに相応しい素晴らしい舞台でした。

新作発表の動画にあったとおり、入電の演出、
5振での出陣と特命調査文久土佐に沿った内容で
ゲームファンはわくわくしますし、
そうでなくても時代モノの舞台として面白いです。
2.5次元には普段興味が無いという方でも
見ていただけたら多分普通に楽しんでいただけるのではないでしょうか。

この日は三日月だったようで、
なんとなく感慨深い気持ちになりました。

 

ネタバレあり感想

歴史解釈について

幕末の『維新』は正しかったか

ゲームのそもそもの設定が司馬史観寄りエピ採用なので
これは刀ステがどうこうという話ではないのですが
幕末における新選組が時代遅れに刀に拘っており
坂本龍馬が薩長同盟の立役者というような描き方はもやもやします。
史実厨なもので…。
自分は、龍馬が生きていても土方さんが死なずに済んだ、とは
言えないと思いますし
そもそも維新は瓦解です。
維新が間違いであったことは、当時薩長側であった
西郷隆盛も言っていたことです。

 

新選組は刀に固執した隊ではない

新選組は刀に誇りは持っていても固執していた訳ではなく
近藤さんたちはピストルを持っていましたし
鳥羽伏見が始まるより前から
隊に最先端の武具を取り入れて訓練も積んでいました。
そんな土方さんと一緒にいた和泉守兼定は、
ピストルを嫌がったりしないし、
龍馬や陸奥守吉行を必要以上に嫌っていたりもしないと思います。

むっちゃんを際立たせる為に、
ピストルを嫌う純粋な刀ということで
兼さんと国広がキャスティングされたのかなと思いましたが
吉田東洋に記憶を見られた時に多少の土方さんの映像が出たくらいで
物語上この2振である必要性を感じませんでした。
幕末だから選ばれた2振なのでしょうが
もう少し絡みや背景描写があって欲しかった気がします。

ただ、後述しますが兼定も国広もこの本丸に顕現したのは
かなり初期のようなので、今後の展開で
なにか埋められるものがある可能性はあります。

 

岡田以蔵のキャラ設定も小説寄り

フィクション寄りの解釈に寄った設定なのは新選組だけでなく
岡田以蔵のキャラ設定にも言えることで、
人斬りで頭の悪い狂犬という一般的な解釈を基本にキャラが作られています。
自分はこれは後世の人間が作ったキャラ設定だと思っているので
この辺りもモヤつきました。
それと、武市半平太は世間で知られているような人では無いかと。
以蔵さんのキャラは『龍馬伝』の佐藤健さんや、
キャラメルボックスの公演『我が名は虹』の菅野 良一さんが
世間に出ている有名なものでは史実に近い方かなと思っていて好きです。
この以蔵さんのキャラ設定はやはり
古い歴史小説で出回っている系のものでちょっと残念でした。
飽く迄も好みの問題ですが
情けない度合いが強いキャラには持っていって欲しくなかったかなと。

史実をご存じない方は、これはこの舞台の以蔵や武市という名前のキャラであり
史実とは違うこと、できれば史実も知っていただけたら嬉しいなと思います。

 

違和感の無い 土方・国広コンビ

ミュの土方・国広コンビが好きなので、多少
ステ本丸の2振について興味半分心配半分というところだったのですが
国広が説明を始めた時に全く違和感が無く
違和感が無いことに違和感を覚えて内心驚いたレベルでした。
そこにいたのは国広でした。

田淵累生さんのお芝居は『R&J』で拝見したことがあるのですが、
ちょっと硬質な兼さんを演じてくださっていて、
兼定が自分の推し刀なのでとても嬉しかったです。
なんとなく、ミュの有澤樟太郎さんの兼さんは日野の歳さん
田淵さんの兼さんは京都の土方さんって感じがします。
泥臭いやんちゃな感じと、役職付きで固い感じ。

むっちゃんが取り落した銃を拾って撃つところなんて恰好良かった。

役者さんって凄いなぁ。

脚本上は、国広は随分幼い印象がありました。
むっちゃんに二度抱きつくシーンがありましたが
兼さんがあんな感じなのに何故このふたりには
そこまでの信頼感があるのかもわからなかったので
少々唐突に感じました。

 

文久土佐組

櫻井圭登さんと三好大貴さんのお芝居も初めて見ましたが
おふたりとも肥前と南海そのままでした。
肥前が龍馬に対して思っていることが
さらっとですが描かれたのも嬉しいポイントでした。

むっちゃんはアクロバットが凄いし、所謂一般のイメージの龍馬、
つまり『竜馬』をすごく体現した明るさだなと思いました。
蒼木陣さんがダンスや器械体操、
アクロバットができる方だからこその殺陣は迫力。
バク宙なんかも頻繁に入ります。
慈伝で登場したばかりの刀ですが、安定感がありました。
三日月もまんばちゃんもいない編制の中での座長。
プレッシャーもあったのではと思うのですが
素晴らしい座長ぶりだったと思います。

 

安定感のある鳥コンビ

安定感があるのはやはり鶴丸と小烏丸。
小烏丸は軽やかですし、鶴丸は驚きというキャラをうまく使って
ギャグパートをうまく織り交ぜてくれるので笑えて安心もできますし
締める所を締めてくれます。

 

鶴丸の美しさ

染谷俊之さんの鶴丸は、他のお二人の鶴丸も本当に大好きで
甲乙つけがたいのですが、自分がイメージしていた鶴丸には
一番近いです。
殺陣の美しさが鶴丸のイメージ通りでした。
大きく派手で、それでいて神々しく優雅。
回替りのギャグパートで
こんな状態から入れる保険があるんですかなんて言ってくるし
目薬の件も入れてくれたし笑えました。
寝ている以蔵さんをつんつん するところとか酷かったです。(笑)

薄々そうかなと思ってはいましたが、やはり三日月を救いたい
その手がかりがあるかも、と思っていたというのは本当に切なく。
「ただ、寂しいんだ」という鶴丸の台詞には泣けました。
鶴丸が驚きを求めるのは、長く在る彼が驚くこと、知らないことがあること
それ自体が希望に繋がるからなのかなとふと思いました。

 

小烏丸の軽やかさ

小烏丸はインタビューでも、軽やかさを演出する為に
片足で立っていることに玉城裕規さんが言及されていましたが
生で見ると本当にほぼずっと片足立ちというか、重心がもう片足で
それだけでもかなりしんどいだろうに、殺陣もふわふわと
体重が無いかのような、それでいて凄みのあるもので素晴らしかった。
舞のような殺陣の合間に敵に蹴りを入れるのも
野生動物のような強さを感じます。
台詞の言い方も軽やかに言ったり、凄みのある低い声で言ったりと
大変魅力的でした。

 

物語は龍馬から始まる

今回の刀ステの舞台で最初に台詞を言うのが
人間である坂本龍馬というのが個人的には良かったです。
おっかーさんの台詞から始まるのかぁという感慨も。
一気に黒船がやってきた幕末の世界に引き込まれます。

そして武市半平太と岡田以蔵の死を聞いた龍馬が
悔やみ、でもそれで二人が戻る訳ではないと
気持ちを切り替えようとします。
これが伏線だったんですよね。

因みに、人間キャストの出番が多いこと自体は不満はない派です。
私は2.5だから2.5のキャラだけ出ていれば良いというのでは
マスコミが報道する
オタクの為イケメンさえ出ていればいい
ろくに舞台としては価値のないストレートより格下のもの、
というイメージから脱却できず、役者さんや2.5、
ひいては演劇業界全体の為にならないと思っているので。

人間組の経験値からくる演技力はやはり圧巻でした。
以蔵さんの本当は切りたくないという思いも辛かった。
ただ全体的に感情を載せた台詞は
甲高く叫ばせる演出が多く、
特に以蔵は常に甲高く捲し立てる感じで聞き取りづらいなと思いました。

 

特命調査 文久土佐藩ということ

マップの再現度

国広が「この場所はさっきも通った」と度々違和感を覚えています。
ゲームで親玉を捉えるのに、最短15手が見つかるまでは
我々も結構高知城下をうろうろしましたよね。
それがこの舞台の中では、町が動いているという設定になっているのが良いです。
高知城に入るところの演出などもドキドキしました。

特命調査がうまく組み込まれていて、改めてこれを見てから
もう一度文久土佐に出陣したくなりました。
入電のシーンからぞくぞくしました。
罠を作るシーンの歌はちょっと冗長にも感じましたが
コミカルで楽しかったです。
台詞もかなりゲームのものをそのまま流用されていて嬉しい限り。

プロジェクションマッピングだけでなく
町が動くという設定と、殺陣の迫力増の為
セットが滅茶苦茶動きますし、
割となにか間違えれば怪我するのは容易なタイミングややり方で、
自分も友人も芝居をやっていた人間なので
よくあんな怖いことできるなーと裏方目線でドキドキしました。
どれだけの練習があれらのシーンを支えているのでしょうか。
人が乗っている状態で動くだけでなく、
動いているステージの上を駆け回りますし、
むっちゃんと以蔵さんは身軽担当なのか
その高さから?! というところからぽんぽん飛び降りちゃいます。
以蔵さんの足元がふたつに割れて動いた上
階段落ちまであったときには本当に吃驚でした。
あまり着込みしているように見えないのですが大丈夫なのでしょうか…。
くれぐれもこの先も皆様お怪我ないことを祈っております。

 

人の思念が形作るもの

人間たちが人間離れした強さであることは度々仄めかされていましたが
遂に以蔵が『悲伝』の鵺のような姿になった時はちょっとショックでした。

ゲームの特命調査 聚楽第でも氏政が当人であるかは瑣末なこと
と言われていましたし、当然その放棄された世界にいる人間たちが
本人ではないどころか人ではない可能性はわかってはいましたが
はっきり魑魅魍魎と言われてしまう展開は苦しかったです。

ミュでもステでも、刀剣男士と時間遡行軍やそれに類するモノたちは
紙一重であるということが描かれています。
ステでは刀だけでなく鎧の付喪神が出てきましたが
今回は更に人の思念が人形をとるケースが描かれました。
サブタイトルの『朧の志士たち』の意味がそうして明かされます。

全ては龍馬から始まった。
龍馬が以蔵と武市の死を知った時の強い後悔の思念が
放棄された正史ではない世界を作り出した。
そしてそれは昨日今日できたものではない。

 

永きにわたりこの時間軸に在ったひとたち

吉田東洋は記憶が朧になっており、自分が誰か忘れそうになりながら
なんとか繋ぎ止めている様子が何度か描かれていました。
これまでに何度もこの歴史を正そうと刀剣男士が送られてきて
それを倒してきたと言います。

人間が刀剣男士を知っているというのは、
ステでも初めてではないので ジョ伝ほどの驚きはないものの
最早諦めのような悲しさがありました。

この時間軸で少なくとも
日本号、骨喰藤四郎、山姥切国広、陸奥守吉行
大倶利伽羅、宗三左文字が出陣し 、折られました。

むっちゃんは知らないと答えており
別の男士であることは確実な訳ですが
別の本丸の男士かというのは怪しいところです。
考察で後述します。

いずれにせよ、刀が折れる描写は見ていて辛いものがありました。

 

龍馬との決着

龍馬とむっちゃんの一騎打ち。
何もそんなしんどい方を選ばなくてもという気もしましたが
龍馬が闇落ちして刀剣男士に切りかかってくる可能性も
見ながら考えたので、そうならなくて良かったなと。
ただ役者さんの好みを言ったら、白岡田より黒岡田の方が
より岡田さんの凄みが出ると思っているので、闇落ちパターンも
見たかったような気も。(笑)

以蔵と東洋がああいう見た目の変化があったので
おっかーさんも白塗りに…?! とはらはら(笑)
しましたが、控えめでちょっと安心しました。

以蔵さんと龍馬は早替えも驚きでした。
あんまり早くてメイク済の別の人に
変わっただけかなと思ったくらい。

最初に会った時、
「あんたには、会いとうなかった」とむっちゃんが言いますが
明るい感じで言っていた台詞がここに繋がるとは。

日本は良い国か。
幕末の人間に訊かれたら、私ならちょっと
良い国ですと即答ではできない。
でも、良い国だから安心して、と言いたい局面ではある。

 

考察

打刀の正体

意味ありげに出てきて不審な行動を取る
打刀の時間遡行軍。
途中で笠を取り金髪(白髪?)の姿ですが
髪型が山姥切に見えますし
仕草や台詞の抑揚が荒牧さんっぽいなと感じたのですが、
最後の方では声のエフェクトがなくなっていきましたよね。
声、荒牧慶彦さんご本人ですよね?

つまりどの本丸なのか、どの時間軸なのか
はっきりとはわからなくてもあれは山姥切国広。
山姥切が「物語をおくれ」とずっと求めている。
とても悲しい描写でした。
悲伝かどこかで折れて闇落ちしたまんばちゃんが
それでも三日月を救いたいという思いを残して
ずっと物語を求めているのでは。

小烏丸と鶴丸が帯びている密命は
陸奥守吉行を強くすること。
もしやむっちゃんが修行に行く流れなのかなと途中で思いましたが
修行以外で強くなる方法、だそうで。
ちょっと引っかかるものがありました。
仮に東洋が倒したのが 時間軸か何かが違うだけで
同じステ本丸の刀剣男士とすれば、
むっちゃんが折れる場合があるということ。
そうならない為の今回の物語なのか。

ステ本丸の主、どうも何を考えているのかわからない。
これは虚伝でまんばちゃんも言っていましたよね…。
そして三日月は審神者サイドに一貫してついている刀なのだ、と。

 

歴史を守るから刀

歴史を守るのは刀の本能。
「歴史を守らなかったら刀ではない」と最後にむっちゃんも言っています。
鶴丸の「瑕疵本丸に認定された」も気になりますよね。
次の話も特命調査になるのでしょうか?
もしそうなら、ステにも蜂須賀が顕現する…?
それとも時間軸としては戻るのか。

本物の人間ではないとは言え、元主を斬った陸奥守吉行という点も気になるところ。
文久土佐藩はゲームでも、銃が落ちており
ボス=坂本龍馬説がありましたし……。

 

キャス変の意味

鶴丸も、健人さんに変わったけれど
今回はテニミュの仕事が入っているから、という話を聞きましたし
よくある大人の事情によるキャス変なのかと思っていましたが
やっぱりキャス変にはちゃんと意味があるということなんですね。
キャス変や再演など演劇界に普通にあることを
逆手に取るかのようなこの仕込みっぷり、
後付としても末満さん恐るべしです……。

今までキャス変があったのは
江雪左文字が虚伝は輝馬さん、再演が瀬戸祐介さん。
骨喰藤四郎が外伝・ジョ伝・慈伝(大阪)が北川尚弥さん、悲伝が三津谷亮さん。
そして鶴丸国永が虚伝と今回の維伝が染谷俊之さんで、再演・義伝・悲伝・慈伝が健人さんです。

東洋にあの6振が折られた時間軸がある。
悲伝でまんばちゃんが三日月に負けた場合
あれを折れたと捉えることもできるとなると
残りは宗左、日本号、むっちゃん、からちゃんが……?

 

時間軸はどうなっているのか

2振いる刀

1.染谷さんの鶴丸と輝馬さんの江雪
2.健人さんの鶴丸、瀬戸さんの江雪、三津谷さんのばみ
はそれぞれ同じ本丸のはず。
2本丸だけが悲伝大千秋楽において、まんばちゃんが三日月に勝つ(≒折れない?)日を経験している。
逆に言えば、まんばちゃんと三日月が戦わなければならないのも2本丸だけ。
慈伝が大阪だけとは言え、健人鶴なのに北川ばみなのもひかっかるところ。
悲伝大千秋楽を越えたからこそ、北川ばみと健人鶴が折られない時間軸が生まれたのでしょうか?

それともゲームのように、同じ刀が同じ本丸にいるのか。
悲伝で三津谷ばみが修行に出るようなことを言っていて、
慈伝で北川ばみがいるというのは、修行に出たのは三津谷ばみだから、ということかもしれません。
健鶴は「小烏丸様」と呼ぶけれど染鶴は「小烏丸」と呼んでいるし、別の刀と考えられますし 。

今回の本丸の近侍は長谷部=まんばちゃんが修行に出た慈伝の続き。
パンフにある時系列からも慈伝の後が維伝なわけです。

 

顕現した順番

パンフレットにある刀剣男士の名前は
(赤字が1振目、オレンジが2振目)

山姥切国広
小夜左文字
五虎退
薬研藤四郎
前田藤四郎

骨喰藤四郎

鯰尾藤四郎
へし切長谷部
歌仙兼定
陸奥守吉行

骨喰藤四郎

堀川国広
同田貫正国
宗三左文字
太郎太刀
燭台切光忠

江雪左文字

大倶利伽羅
和泉守兼定
次郎太刀

鶴丸国永

鶯丸
山伏国広

江雪左文字

一期一振

鶴丸国永

博多藤四郎
三日月宗近
不動行光
ソハヤノツルキ
大包平
日本号
太鼓鐘貞宗
大典太光世
大般若長光
小烏丸
南泉一文字
山姥切長義
肥前忠広
南海太郎朝尊

今回の編制の中で一番最後に顕現した小烏丸が維伝では相当強かった。
つまり、悲伝からだいぶ時間が経っているということなのか?

 

2つの時間軸

かなり丁寧に放棄された時間軸について
劇中で説明がありましたし、2つの本丸が描かれているのかなと自分は考えています。
維伝に出てきた闇落ちまんばは、三日月を救えなかった本丸のまんばちゃんの成れの果て。
だとすれば、小烏丸と染鶴が救い出したいのは三日月。
もしかしたらまんばちゃんの可能性もありますが。

2振いるとして、単純に最初に登場した人が演じているのが1振目なのかなと思っていましたが
維伝を見ると、染鶴の方が2振目なのかなと思います。
虚伝再演は三日月のループに突入した物語で、
ループしていないのは虚伝、そして今回の維伝。
これが正史。
パンフにある序伝と虚伝の間に嵌るのが、
維伝までの間を埋める正史の本丸のエピソードなのかもしれません。

だとしたら、
三日月を助けようとするのは歴史を変えることにはなる。
歴史を守る刀の本能を捨てた山姥切は刀ではない存在なのでしょうか?
勿論、こちらが間違った歴史であることも考えられますが
三日月が円環に囚われていないのが正しい本丸の姿と考えられます。

正しい本丸の為に必要なのは、染鶴。
だから、闇落ちまんばちゃんは染鶴に
強くなれ、おまえは必要な刀だと言うのではないでしょうか。

そして染鶴が闇落ちまんばちゃんと刀を合わせた時
「忘れるはずがない、この太刀筋」と言う違和感。
普通にまんばちゃんがいる本丸なら、
「この太刀筋、まさか」とか「似ている…?!」
だろうに。
と思うと、染鶴がいる本丸に今まんばちゃんはいなくて、
だから長谷部が近侍をしているのかもしれない。
なら、小烏丸と染鶴が助けたいのは三日月というよりまんばちゃんなのかも。

ラストで肥前がやってきて、「戦力が増えるのはありがたい」という話になっています。
「戦力が増えて手狭になってきた」慈伝本丸とは違うということでは?

 

山姥切国広について

闇落ちまんばちゃんの生きてきた時間

今回のまんばちゃんが言っている台詞に
「織田信長の物語…伊達政宗の物語…黒田官兵衛の物語…足利義輝の物語…坂本龍馬の物語…」
というのがありました。
これはつまり虚伝から順に辿ってきている訳で
その上で修行に行かなかったまんばちゃん。
やはり円環を断ち切れなかったまんばちゃんなのでしょうか。
だからこの本丸には、未来がない。(パンフで維伝の先が無い)
闇落ちしたり折れた刀が多くて、戦力が足りない。

 

そもそも未来を知っていた?

悲伝でまんばちゃんと小烏丸だけが三日月の元に行けた。
審神者がやられそうになった時
「ここであんたを失う訳にはいかない」
と言ったり、山伏が折れる時も
「こんな事があっては駄目なんだ」と言ったりするのも
単なる主人公補正や言葉の綾ではなくて
ここで審神者がいなくなるとまずい、
歴史上正しくないこと、という意味とすれば
まんばちゃんは未来を知っている特別な存在だった可能性もあります。

 

三日月を円環に閉じ込めたのは

今回、死んでほしく無いという龍馬の願いが
東洋や武市、以蔵たちをループに閉じ込めることになった。

となれば、三日月がループしているのは
三日月の意思ではないと思われていましたが
もしかしたら三日月が折れてしまった時間軸≒悲伝(大千秋楽除く)?
で三日月に折れて欲しくない、と思った山姥切国広の願いが
三日月を閉じ込めてしまったのか。
まんばちゃん自身を歪みに落とし、時間遡行軍と化すことになったのか。

刀ステの次の物語の内容が早くも気になります。