いつも面倒を見られる側だと思っていたはぐちゃんが
竹本くんのことを心配して、修ちゃんに放っておけと言われたのに
自分で飲み物と食べ物を差し入れに行く姿にきゅんとする。

理花さんは真山を傷つけたと思っている。
真山の前では立ち直った振りをしなくて良いから楽だった。
それは、いいことだと思うのに。救われてもいいのに。
これでもし真山まで諦めてしまったら、本当に一人になってしまう。
だからこそ野宮と美和子さんの賭けが背中を押すことになってほっとした。
真山は東京じゃないのかと言ってくれる山崎さんも、
むずかしいおはなしはおわりですか?とリードを持ってくるリーダーも大好きだ。

青春の塔と言われたらぐっと魅力的に見えるから、作品のタイトルは重要だなと思う。

自分が告白されて、真山がどんな気持ちだったのか分かるあゆ。
自分が言われて辛かった事を言わないといけないの、と問われて、先生が
努力するか諦めるしかない。彼らが選ぶんだと答えるのも印象的。
三つ目の答えは何もしない事なのかなと思うが、どちらかといえばあゆは諦めきれずそこにいると思う。
だからこそ、どちらかに決めた方が事態は進むだろう。

竹本くんが青春の塔の前で思う、自分がなぜ迷うか、
地図が無いからじゃない、オレに無いのは目的地なんだ
という言葉はとても印象に残っている。
先生の、「人間が不器用」ってすごく的を射た表現だと思う。

あゆの顔を見るとまだ辛いのに、三代目の会のみんながとても優しいのが切なくなるし
些細なところだけれどスノボ用のズボンを履く時の
たっすたっすという擬音が好き。

年末年始に義父の実家に一緒に行く竹本くん、偉過ぎる。
お母さんが心配でぐるぐる気を遣ってしまうところが切ない。真面目だからこそ心配だと思っていたところへの入院騒ぎ。
夢に出てくるお父さんとのエピソードも泣ける。
お父さんとは全然違う性格の人だけれど、
なんだかわからないけれど魘されていたからと
好きな人の連れ子の手を遠慮なく握れて
学費を出させろ、ちゃんとかかわらせて欲しい
と言えるカズさんもやっぱり良い人なのだ。
あと卒制だけなのに勿体ない気もするが、
就職先も決まっていないのに卒業するよりも
学校に残る方が確かに良いかもしれない。

囚われていたことから少し解放された竹本くんの心境の表現が
はぐちゃんの笑顔をみて「会ったのが久しぶりなようななつかしいような気がした」
なのが素晴らしいと思う。

森田さんは流石めちゃくちゃやらかしてくれるが
そんな人をもってしてもブラック現場だとまともなことを言うしかないのだな。笑
取り敢えずずっと竹本くんが不憫。笑

あゆが「私も新宿まで行こうかな」とさらっと言えないのが、だからこそあゆなのだけれど
その代わりに「楽しそーだね」なんて嫌味なことを言ってしまって
いつまでも消せない思いが苦しい。
真山もしんどいだろうなと思う。

丹下先生は本当に森田さんの才能を愛していて
すごく良い先生だなと思う。
卒制を受け取った後は先生たちも随分盛り上がるのだな。
色々ご苦労も多いことだろう。
「どんなに可愛がっても相手は卒業してゆくばかり」
という丹下先生の言葉がとても切なくなった。
生徒側はずっと覚えていてお世話になったと思っているとしても、確かに会わずに過ぎていってしまうこともある。
そして、原田さんと理花さんを見送って学校に留まっている花本先生には、別の意味でも刺さる言葉だ。
切なくさせた後の森田さん再入学が面白すぎる。中森先生もさぞかし振り回されるのだろう。

犬には会いたいと言いながら怯えているリカさんがちょっとおもしろい。

止まってなんかいなかった。流れおちていたのだ、時間は滝のように。
この1年ぼくがただ立ちすくんでいただけのあいだに
という竹本くんのモノローグはきつい。
立ち止まっていても何も進んでいないことはないと思うのだが
周りが進んでいるとどうしても焦ってしまうだろうな。

みんなでご飯を食べようと鍋横で一揃い買ってしまう森田さん。
すごくわかりにくいけれど、愛情深い人なんだよなと思う。
あの日のことを、「見送りに来てくれたんだってな」とお礼を言って嬉しそうにしている笑顔にキュンとする。

お花見に見知った顔がいてみんなで楽しそうにしているのは羨ましい。
野宮さんがあゆにはっきり気分悪い、と言うところが大人であり子供であり。
あゆは本当に悪気なく真山のことしか見えていないのがとても子供なのだと思う。