未来から来た自分というおじさんが
いつの間にか押入れに居候を始める。

何も知らなければどこまで本当なんだろう、と曖昧な気持ちで読めただろうが、作者のnoteを読むと
ほぼ全部本当なのだろうと思うと辛い。
職場も健全ではないし、アシスタントに入っていた先生に才能が無いと言われ
未来の自分には漫画をやめろと言われ
居酒屋では見ず知らずのサラリーマンに絡まれ。

やっとチャンスを掴んだけれど編集担当にも恵まれず
原案を出しただけの人が原作者だとメディアに出て
ストーリーも全部作って苦労して書いているのに
アシスタントは言う事を聞かないし
映画は当たっても自分の収入には単行本が売れた分しか返って来ず
編集に言われるまま家賃の高いマンションに引っ越し。

勿論意見を言わない主人公も悪いと言えば悪い。
もらえる金銭のことも聞かず、マンションも言われるがままに契約してしまった。
しかし、新人漫画家でしかなかった描男くんが
ヤクザまがいの編集長や担当に意見を言うのは難しすぎる。
売れっ子になっても結局相手が弁えないなら
描かないという抵抗しかできないのは、
いじめられっ子が転校する構図に似ていると思った。

居酒屋で馬鹿にしてきたサラリーマンに、
誰でも出来るだと?お前はやらなかったじゃないか
くだらないことに命をかけてる奴もいるんだよ
とおじさんが言った台詞が泣きそうになった。

死ぬほど嫌でした|佐藤秀峰 #note
https://note.com/shuho_sato/n/n37e9d6d4d8d9?sub_rt=share_h