勢いで驚かせる海外製のホラーと違って
如何にも和のじっとりひたひた襲ってくる恐ろしさ。
読み手は理由ははっきり分からなくても
それはまずい、ということが起きていて
きっとこれをやってはいけないと分かっても
登場人物たちは気づけず行動を変えないのを
ただ見守るしか無く、ぞわぞわする。

閉鎖的な村社会の様々な問題を折り込みつつ、
野犬、いつまでも越してこない住人、
車に載っている棺、など単独では通常であれば
そこまで問題にならないようなことが
心の底に積もり不安を煽っていく。
村人たちの噂や関係値など、
実際の事件を小説にしているのかと思うほどリアリティがあった。

舞台設定はどこなのだろう。
軍手を履け、という台詞があったので、東北以北なのかと個人的に思った。