主人公である4人の女性たちは
仕事もキャラクターも生き方も違う。
物語の中にわかりやすい奇跡は起きず、
淡々とそれぞれの日常が流れ、彼女たちはその中で
藻掻き、泣き、それでも立ち上がる。
オシャレでも恰好よくもなく、泥臭くすらあり
懸命に生きている様子がとてもリアルだ。

おそらく、響かない人には全く響かないと思う。
逆に、響く人には深く響く映画だと思う。
自分はこの映画を初めて見たとき、
孤独さや切なさ、藻掻いている苦しさ、
倦怠感や閉塞感など自分が抱いているものと
リンクしてやられてしまった。
実家を離れて東京で一人暮らしをしている女性には
響くことが多いのではないだろうか。

漫画『strawberry shortcakes』は読んだことがないが
読んでみたいと思う。
作者である魚喃キリコ先生が、塔子役で出演しておられるのも驚きだった。
自分が描いた絵を酷い扱い方をされた時の
静かな怒りや絵に対する愛情がリアルに感じたのは
そうういことだったのだろうか。

確か、原作と違って救いのあるラストにしてもらった
という先生かどなたかのコメントを
どこかで見かけた気がする。
ラストもわかりやすいハッピーエンドではないが
曇り空の向こうに太陽がうっすらと見えるような
微かな光明が見え、その後彼女たちがどうするかは
観客の解釈に委ねられている点も良く
暗い話でありながら見終えた後少し明るい気持ちになれ
明日も生きていこうと思えるラストだと思うのだ。