映画を見て面白かったので読んでみた。
映画では端折られているところが当然ながら詳しく書かれ
トリック的な部分がより細かい描写になっており
なるほどと思うところが多かった。
それと同時に、映画用にうまくカットして、
印象に残るような構成に変えた映画も上手かったなと感じる。

誠が自分の姿形が憎む人に似てくることが
さぞ辛いだろうと読んでいるだけでも苦しくなるし
それでも違う人間として生きていることでなんとか
自分を許して人並みに幸せになっても良いのだと
思えたところが良かった。
悲しい結末にはなってしまったが
里枝と暮らした数年は幸せだったと自分も思いたいし、
そう言ってくれた城戸の気持ちも嬉しくなった。

映画のざわりとする終わり方も好きだったが
小説もとても良かった。