折角順風満帆にいっている気がするのに、ゴンさんから見ると目が真っ黒で、それに自分では気がつけない。

うららちゃんがたわしを編んでいる時、編み直す手間より
見る度直して置けばよかったと嫌な気持ちになる方が嫌
と言って潔く解いてしまうところが好き。
自分は歪でも花の形になってればいいと思っているのではないか。
結局母親の呪いから抜け出せておらず、同じ味のぬか漬けを作って満足し、
母親が言うちゃんとした人生に、母親が来るまでに戻らないとと思うから焦るのだろう。

吉永さんのお部屋は確かに本当に素敵だ。
お湯を沸かした後コーヒーからお出汁に飲み物を変えたり
大きなプロジェクターで映画を楽しんだり
凪が言う豊という表現がしっくりくる。
家出少女と言って映画に誘ってくれるところがそもそも良い。
人生は映画で、自分の見たいものを編集して
自分が粋だと思うジャンルに寄ってくる。
面白い喩えだ。
すごく良いことを言ってくれたのに、
劇中でババアがしたり顔でうまいことをいう映画は相容れないのに私なんてこと!
とパニックになるところも可愛かった。
人生は映画 は確かにそうだけれど、
みんな粋なジャンルだと思って今の人生を生きているだろうか。
必死なだけで本当にこのジャンルで良いかと言われたら躊躇してしまう。

田舎特有の閉塞感は本当に息が詰まる。
凪のお母さんも可哀想だが凪に「逃げて」で終わらず
そして私を地獄から連れ出してという依存ぶりが恐怖だ。
踏み潰された雪だるまのコマも恐ろしい。

彼氏代打の話を聞いた時のうららさんが、
「どうしたって凪さんの味方」と言ってくれるのはとても救われる。
エリィさんがファッションの話で
「好きなものと似合うものをすり合わせる」と言っているのが非常に納得した。

凪ちゃんは自信が持てればなんでみんな親切にしてくれるんだろう、なんて思わないだろうが
呪いがとけないと難しいだろうな。
自分の結婚式も思い通りにできない中、少しでもやりたかったことに近づけようとキャンドルを用意する優ちゃん、とても共感した。
自分もそんな感じだったので。

ここの人の機嫌を怖々取るために自分の思っていないことをしてきた凪。
ここに来て頼りになる桃園さんから我聞くんに交代は
凪的には兎も角傍から見る分には嘘をつく部分が減る訳で安心感がある。