ママが言う仮想的だから無敵というのも納得。
子供だったし、相手が強すぎて自分の中で勝手に強いように見えてしまうのは毒親に悩まされてきた人あるあるな気がする。

みくびって見限ってやり過ごす。
それはやり過ごす方法で掌握できているわけでも
自分が幸せになれる訳でもないのに、
慎二も毒親サバイバーでまだ渦中にいる人だからこそだろう。
折角協力してもらっているのに、勢いで全部嘘だなどと言わず
今日はこのままやり過ごせばいいのにと自分も思ってしまうが、凪は正直な子だなと思う。
ただ確かに、ここが根っこだからここと向き合わないと、というのは分かるしその通りだ。

本当の自分を見せて「なんでこんなことに」と言われるし
こういう親は言えば良かったのにと言うけれど
言ったところで「大丈夫な私のことしか許してくれない」。
大人たちが躊躇しているのに凪ちゃんを助けに入るうららちゃんの姿に泣ける。
ちゃんと精一杯礼儀正しく、しかししっかり意見を言って。
ママたちも来てくれてみんな優しい。

わかりあえたと思うのは幻想で、子供にとって親だから騙されてしまうだけなのだが
子供としての良心を攻撃してくるやり方をするから
世界中から人でなしと指さされてもいい、くらい覚悟しないと振りほどけ無い。
まんまと怪我をしたと人情話でおびき寄せられてしまった凪。
せめて事前に期間を区切って行けば良かったのに。

元クラスメート達からディスられても自分の受け取り方が悪いのかも、と思ってしまうのもわかるが、笑いながらでも感じ悪ーくらい言うべきなのだろう。

母親が純度100%の悪者だったら良かった。
それが子供の辛いところだ。嫌いになりきれない。
凪の母親への気持ちはまるで初恋。
初めて周りの声を気にせず慎二が選んだのが凪。
ゴンさんが恋というものを初めて知ったのが凪。
それぞれが初恋を自覚する。

慎二と凪ちゃんは、なにかが違っていたら普通にうまくいっていたかもしれないなと思う。
だがそれも今更だと本人たちも思っているだろうが。
ゴンさんネカフェにいったならネットがあるんだから早く気がついて欲しい。