ネタバレあり感想

映画ファンタズムは見たことないので、特に内容に対して思うところなくニュートラルに読みました。
哲学的であるとか、ホラーであるとかいった感じは受けませんでした。読み手としては、いつものばなな先生と思う方が多かったのではないでしょうか。

ちょうど育った町への旅から戻ってきたタイミングでこの本をたまたま手にとって
悲しい思い出しか無い呪われたその場所で顔を上げたとき、
世界が変わっていて
この街は、今は住みやすいところで、
どこに出しても恥ずかしくないところになったんだ。
私もそこに与するのだろうか
と正に思っていたところだったので、内容がすっと胸に入ってきました。

自分の頭の中のデータを更新され、呪いがとけたような気分になり
前向きにとらえてもいいのかもしれないと思え、
それでいいではないかやっとそれができるようになる
と感じたミミちゃんの心境が、本当にとてもよくわかります。

お手伝いやなにか良いことをすると1ボルもらえて、
3ボルでアイスに引き換えられるというのは、
本当に優しいシステムで面白くて良いですね。

墓守くんの花束と、それをずっと気に留めていたのが
ひょんなことから作った本人と出会えて、本人に素敵だと思うと伝えられるシーンも
とても良かったです。
評価が間に合わないことも、現実にはいくらでもあると思うので。
心洗われる場面でした。