西門とのエピソードがとても良い。 ふたりが悪いわけでもなく誰が悪いわけでもないのに ギクシャクしてしまうのがかわいそうだけれど 仕方のないことだとも思うし、関係が少しでも進展して良かった。 舞台上で面が割れても集中しているところがすごいけれど それをきっかけにテレビドラマのオファーが来るのも運命だなと思う。 ドラマを見ていて詳しい人が見るとおかしいことばかりというのは 能だけに限らずよくあることだと思う。 その道のプロが撮影協力していても色々な都合に流されて 修正されないこともよくある話。 気持ちだけ作っていってお任せするのは プロ同士だからこそ成り立つのだろう。 選んだのは向こうなんだから考えなくて良い、 あとはおまえが選べばスタート という芳年さんの言い方がらしくて好きだったし 考え方としてすごくクリアだ。 憲ちゃんとしてはいつもどおりなだけなのだろうが ”外”の人に手をついてきっちり挨拶する姿が綺麗。 彼が出演することで先生も会も監修として参加するというのが なるほどなぁと思った。 関わるなら徹底的に関わらないと、中途半端なものになるし 関わりたいといってくれる先生、 そしてそれを受けてくれるドラマスタッフサイド それぞれの度量があるからこそクオリティの高いドラマに仕上がる。 だからこそ『向こうもこちらもそれぞれに玄人 手加減無用』が成り立つ。 左右先生が、チョイ役だったらやらせないつもりだったかと憲ちゃんに訊かれて 「まあな、今頃気づいたのか?」 と返すのが恰好良い。 他の業界の人とクオリティをぶつけられる環境にいる憲ちゃんと対比するように 葉月さんがピアノの腕は普通でもセクシーな格好で来て欲しいを言われることもある というのを芳年さんから聞かされる構図も深い。 つっぱねる自信もなく痛いところをつかれたのだろう 葉月さん、気持ちは理解できる。 ピアニストでなくとも、女性はこれに近い経験をしたことがある人は 多いのではないだろうか。