月山さんが琲世の正体を知るやいなや、トーカちゃんのところへ行くのも彼らしいし
トーカちゃんがあいつを私たちの世界に引き戻したいのかとうのも彼女らしく
深い愛を感じる。
戻らない方が良い、誰にも頼れなくなった時に帰る場所になればいい。
どちらもそれぞれに愛の形なのだと思う。

瓜江が「優れた羽赫のクインケ使いがいるとチームの死傷率が70%下がる」を
裏を返して凡夫であれば死傷率が70%も上がるとシラズに告げるのが
良い性格をしている。
彼が強くなりたい、金が必要だとする理由はショッキングでもあり
苦しく、応援したくもなるものだった。

富良さんがはっきり、自分たちは 命を奪っていると言ってくれるのが良かったし
坊主にして心機一転 気合を入れ直そうというシラズくんは 人間味があってとても好きだ。
瓜江に礼が言えるところも、『精神的には遥かに健康』なのだ。

才子ちゃんが話した喰種を「良い人っぽかった」と言う。
彼女らしい素直な感性だと思う。

月山さんに会って話をしようとする琲世。
今の生活を捨てるのは嫌だけれど、
いつか思い出さなければならないなら
せめて自分の意志で知りたい。
どうしてカネキは普通に幸せになれないんだろう。
彼の涙にこちらも辛くなる。
月山さんの言う「健やかな弱さ」という表現が
しっくりくる。
彼は彼で今は本当にカネキくんを大切に思っているのだ。

キジマは正直本当に胸糞悪い。

月山を守ろうとする父親や部下の人たちが悲しい。
ここまで築いたものをすべて失うだけでなく
命まで失いかねないのに、それでも月山さんを守ろうとする。
その姿に涙すると同時に、そんな事情を知ろうともせず
殲滅作戦を執行する人間のどこに正義があるのだろうか。

松前に約束しろと言う月山。
弟のように大切な主を守りたい。何も間違えていないのに。
松前まで行ってしまった後
ヘリが撃墜される様はあまりに酷い。
あんなに金木にコンタクトを取りたがっていた月山が言う
「君の事など知らない」の覚悟たるや。

遂にナッツを使う不知の決意もまた良い。

カナエの一連の描写は苦しく辛い。愛されたかった。
あの寝床へ、という思い。帰してあげたくなる。
琲世の「もういちど死ぬか?」の回想も辛かった。