大事に描きたいのが分かる気持ちと
流石にテンポが悪いなぁと思ってしまう気持ちとがある。
試合中に回想描写を入れて選手への感情移入をさせてから勝敗をつける手法はこれまでもずっとあったから
最後だから引き延ばしているというような印象では無いが。

しのぶちゃんが、今までかるたの神様たちが言っていた言葉は自分の言葉だったと気付くシーンはとても良かった。
深層心理ではずっと友達を求めていたことは分かっていたし
ちはやはかるたの部分も含めてそのポジションに入れる稀有な人だ。
ちはや自身もそれを分かっているからこそ、しのぶちゃんを一人にしておけないと以前から言っていてここまでに来たのだ。
それがこの試合中に実るところが美しい。
二人で手を取り合ってかるたのプロを目指す未来も
あるのだろうか。

敵キャラとして出てきた須藤さんだけれど
最初の印象より実直で、オレサマだけれどカルタ愛も強くて
周防さんのことやかるた会の未来を考えて
そこまでできるのか、という行動をこれまで度々とってきたが、今巻でもそうだった。
実は一番大人で堅実かもしれない。

運命線での決着というのは吉と出るか凶と出るか。
個人的にはそうして欲しくなかった気はしているが
良い展開になることを期待する。