函館の五稜郭に関して、絵図面などの資料を元にした発掘調査から判明した遺構を丁寧に説明した本。
箱館戦争後は原則ほぼ利用がなく一般人の立ち入りもなかった為、出土したものは箱館戦争以前の物とわかりやすく、自分が思っていた以上に貴重な遺跡であったのだと思った。
幕末の歴史もある程度書いてくれているので非常にわかりやすい。
書かれていたが、確かに箱館戦争の印象しか無い人も多いのかもしれない。それ以前から五稜郭はあり、奉行所があったことは意外と知られていなさそうだ。

この本が出た時点では奉行所の復元が始まったところだが、今は既に工事が終了している。
実際に行ってみたが本当に丁寧に、できる限り当時と同じ材料で、同じ手法でとこだわった復元方法をとっており、素晴らしかった。
函館出身の自分にとっては花見や遠足、散歩で行く公園のイメージが強いのだが、公園になるまでの流れ上、結果的に建物や石垣など細部に至るまで大変貴重なものになっていることを知れて良かった。