【読了】ドラゴン、家を買う。 3 (BLADE COMICS)

勇者に比べてハンターが人間味があって好きだ。
自分でも「比較的普通な人間なんだよ」
と言っていて面白い。
戦いになれば竜と対峙するのも辞さないが、
竜の家があってそこに入るのはオフタイムの
個人宅への訪問でマナー違反では？ と罪悪感を覚えて
入れないところが好き。
対して勇者は「お宝あるかなー」といいながらしれっと入っていくところが酷い。笑

アルバイトしていたことが、噂話のせいもあって
すべて悪行として解釈されてしまう。
ハンターさんが真面目なばかりに、世界征服を企む炎竜王として手配書が回るところも
レティは可哀想だけれど笑える。

勇者に対して「変態」「覗き魔」「ナルシスト」
と言いたい放題のネル。
でもレティが洗脳したと解釈する勇者、ある意味最強である。

確定申告が出てくる世界観も楽しい。
人里を襲ったり勇者を狩ったりするのは自営業とは。笑

ネルの家の地下ダンジョンに来ることになるが、
勇者養成用の王朝が作られた国営迷宮なので
出現する敵は訓練相手の為住み込んでいる国家公務員という発想が好き。
土日祝日は休みなのも良い。
ネルちゃんの知っている迷宮の常識に対して、
人食い宝箱なんて家に置いたら怖いし
アイテムは樽や木箱に入れて道に放置しない
という真っ当なレティの常識も面白い。
「人間たちの思い込みと偏見による創作」
とばっさり言うディアリアさんも流石だ。
防衛中でもノームたちを定時で帰すホワイトぶりも笑える。

お父さん達と戦うことになると心配するレティも
友を見捨てられないというネルも
どちらも優しくて素敵。
王様とネルちゃんを見て、自分が家を追い出されて
見捨てられたように思ったけれど
自分のことを思ってしてくれたことなのではと気がつく所が微笑ましかった。
王様が事実を知って正座謝罪もすごい。笑
非人間族も人間と同じで、良い人も悪い人もいるだけ
という考え方、素晴らしい王様なのだろうなと思える。
王様が今回の件をまとめる為に作った炎竜王伝説のくだりも面白かった。