陽子と鈴、祥瓊が出会い、陽子が王であると知らずにクーデターに携わることになる。

陽子は一貫して強く、物を知らないと言いつつもしっかりした人でとても恰好良い。
恨んでいると言い出したので一時はどうなることかと思ったが、
これまでの旅で学べた鈴と祥瓊の二人が意外とあっさり陽子を受け入れる。
陽子が王だと名乗った時は正直怖かった。いつもこんな調子ではそれは景麒もたまらないだろう。

ピンチに次ぐピンチの中でも凛とした陽子と、
戦いの経験も無いのに肝が座っている鈴と祥瓊が方便で仲間を鼓舞する辺りから
ラストまでは非常に気持ちが良い。

禁軍を動かさなかったことに対し、持病があるようだから、と罷免するところが小気味よく
思わず笑ってしまった。
上巻の段階で、陽子が出す初勅はどんなものなのかという問が提示されていた訳だが
このような結論に彼女が至ったことが、彼女らしくもありとても立派だ。
仲間がいなかった陽子が実際に自分で動くことで手に入れた信頼できる仲間たち。
とても頼もしい女王だ。