ひまわり 感想

主人公に降りかかる事故という事象は辛いことなものの、
基本的には前向きでなんとか前に進もうとする
ひまりの姿に励まされる。

非常に具体的な描写ばかりで相当な取材があったのかな
と思ったが、あとがきによるとやはりそのようだ。
モデルとはしないとは言え具体的な描写のあたりは
ほぼ実話なのではなかろうか。

ちょっと気の合わない人というのは出てくるが
最終的には良い人、ちゃんと会話はできる人になって
こういった類の物語にも関わらずストレスはあまり無く読める。

日頃「前例がない」という理由で断られる度
苛々してしまうので、鉄壁の官庁の態度が嫌だし
前例がないことを嫌う癖に法律経験のない人を
介助者として派遣してくる配慮の無さも腹立たしかったが
これではまずいと思って一生懸命
ポケット六法をめくる練習をしてくれていたというエピソードに涙した。
こうした目立たないところで、本人に知られることもないところで
心を砕き手間暇をかけてくれる人の小さな優しさで
世間は成り立っているのだと思う。

事故自体は大変な不運だし、会社の態度は酷かったが、
金銭面や家族、同僚、友人などの環境はひまりは割と恵まれている方だと思う。
誰しも努力だけでこうはいかないし、働かないという選択肢を選んでも良いと思う。
人それぞれ、自分にできることややりたいことを
やれる環境が全員に齎されたら良いのにと思う。