黒い家 (角川ホラー文庫 45-2) 感想

読み終えて、これがホラー小説に分類されるのだなという印象。
確かにホラーと言えばホラーなのだが
どうも自分の好みではなかった。
スプラッタのグロさはあるが
正直どう考えても犯人は嫁の方だろうと思っていたし
そう思っていないとしても
警察を装って手紙を送ってしまったり
鍵を増やすほど警戒しているのに
仕事は普通に行くし警察を呼ばず観察したり
といった主人公の行動の異常性で
犯人のホラーさが薄まってしまった感がある。
蝉を改めて潰し直すあたり、主人公も十分ホラーに感じた。

保険金詐欺のところはまだ興味深く読めるのだが、
中年女性が小動物や子供、自分を信用している知人は兎も角
金石や三橋、警備の人、そして主人公と次々大の大人の男を襲ったり
その場で不意打ちで殺すだけならまだしも
拘束して拷問したりできる体力や計略のあたりが
今ひとつ納得できなかった。

気持ち悪いなという感じでホラー小説という感じはしない。
恵がひたすら可哀想だし、何より猫や犬が可哀想だった。