タイトルはくるちゃんの歌詞から。リスペクト。

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言葉遣いってとても大事だと思っていて。
別に漫画でも映画でもラノベでもいいんだけど
やっぱり本を読んでいる人って、言葉遣いが面白かったり丁寧だったりする人が多い。

同僚で、すごくツボる言葉遣いをする方がいて、
話してみたら前職が新聞記者さんで本を読むのも大好きだと言うので
なんだかとっても納得しました。

ちょっと前のゴチで上川隆也さんが、本というか活字が好きで
趣味というより癖みたいなものだとおっしゃっていて、完全に同意。
私も、説明書とか広告とか、兎に角活字があったら読まずにはいられないし
読んでいると落ち着くのです。

随分前に日記に書いた気がしますが
本を読むのが苦手だという人もいる中、私が本好きになったのは
毎晩読み聞かせをしてくれた母と、書庫があるうちの環境と
毎週図書館へ行って私のと自分の本を借りてくれた父のお蔭だなと思います。

幼稚園の頃の読み聞かせから興味を持って、先が気になって自分で読もうとしたのが
はてしない物語。
ミヒャエル・エンデの物語で、
勿論漢字が全然読めなくて苦労したけど、今でも大好き。

このお話の中で、モンデンキント(映画では英語訳なのでムーン・チャイルド)
女王幼ごころの君がお隠れになった、という記述があって。
幼い私は隠れるの意味がわからなくて、父親に訊いて教えてもらいました。
多分、身分によって同じ事象でも言葉を変えることがあると
初めて実感したのがこれだと思います。

次が、昭和の時代が終わったときの報道に使われた崩御でした。

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桂宮殿下 薨去の報道にあたり、産経くらいしか薨去の言葉を使っておらず。
かと言って、それに対して
天皇陛下、皇后陛下、皇太后陛下がお隠れあらせられた場合は「崩御」、その他の皇族方には「薨去(こうきょ)」を使うのが正しい
とツイートしている人がいて、それはそれで違和感があって。
調べてみたら親王や三位以上の方がお隠れになった場合が薨去で
王や女王、四位・五位以上が卒去、皇太子や大臣が薨御
など、色々あるんですね。

wikiによると、『今日の報道では皇族の死に対しても便宜上この逝去を使用している。』
そうですが、なんでそんなことをするのかなという。

   *

今、逝きし世の面影という本を読んでいまして。
『文化は滅びないし、ある民族の特性も滅びはしない。
それはただ変容するだけだ。滅びるのは文明である。』
という言葉が印象的でした。
日本の文化は滅びないし、日本国民の特性も滅びないけれど、
日本の文明は幕末で滅びてしまった、しかしそれに気づいていない人が殆どだ、
という論旨から始まる本なんですが
明治政府が樹立してから、素晴らしかった日本は永遠に失われ
そこから歪んだまま今に至るから遂に綻びが目に見えるようになっている
と思っている自分にはとても納得のいく内容であります。
死んでしまった文明は生き返ることはないにしろ
そんな文明があったこと、それが失われたことを踏まえつつ
文化を継承していくことが、やっぱり大事なんじゃないのかなと。
そんなことを考えていたところだったので、きちんとした言葉を使おう、知識を得よう
と尚の事思ったのでした。

斯く言う私も歴史を本格的に勉強しだすまでは
文明が失われてもう取り返しがつかないということを理解できていなかったし
学生の頃は教科書を鵜呑みにして、明治=文明開化→進化だと思っていましたけどね。

調べてみると、幕末に日本へ来た外国人の
自分たちがしていること(開国させようとしていること)は間違っている
という述懐の如何に多いことか。

色々と、考えてしまいます。日本人として。

まぁ兎に角ですね、
折角ある美しい日本語であり、言葉は文化なのだから
きちんと使いたいなと改めて思いました。

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say

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