著者 : 手塚治虫
手塚プロダクション
発売日 :
テレビドラマ『君とゆきて咲く』を2話まで見て
面白かったので原作を読んでみた。
歴史通りではないし新選組より坂本龍馬の方が活躍するし
丘十郎も結構手練れなことは意外だった。
近藤先生も世界のことは見据えていたのに、
折角新選組に入隊しながら父の敵討ちに利用しただけで
坂本龍馬の言葉で目覚めるのは残念な展開ではあるが
実際佐久間象山の息子のように敵討ちの為入隊した人はいるし、新選組の創作でも敵討ちの為、というパターンは結構多いものなと思う。

短く、池田屋前で話が終わるのも新鮮。
もう少し架空の人物同士ではなく
新選組隊士との絡みを見たかったが、
大和屋焼き討ちや内山彦次郎が出てきたのは面白かった。
が、つまり新選組というタイトルでありながら
新選組の名前はまだ頂いていない段階で話が終わってしまう。
沖田や他の史実上の人物を差し置いてなぜか
丘十郎が内山などいろんな外部の人間に認められているのもなんだか不思議な感じだった。

丘十郎の目的はきちんと達した訳だし
シンプルに読みやすい。
また手塚先生の漫画ならではのギャグ要素も結構あった。
父親だけでなく大作や八重などままならない
誰かが悪い訳でもないなんとも言えない話運びがなるほど手塚作品という印象だった。