するなら建設的な議論をするべき

1/2のJAL機事故でペットの預かりも2件あったと聞き、
0であって欲しかったととても残念でした。
飼主さんの気持ちを考えると本当に辛いです。

これを受けて客室に持ち込みたいという意見が出て
反対意見も出ていてそれ自体は良いのだが、全く建設的な議論になる気配がありません。

今回の飼主さんがJALを非難した訳でもないのに
(自分が知らないだけなら教えて欲しい)
何故ペットを失った上赤の他人から家族どころか生き物でもない
物なんだと言われなければならないのでしょう。
メディアがまるでJALさんに非があるように報道したのは確かに問題ですが
それでメディアを非難するのではなく
「動物を人扱いするな」と飼主たちを一絡げに叩くのは何故なのか。
それはメディアにまんまと踊らされているのではないでしょうか。

石田ゆり子さんが攻撃対象にされたのも、笠井信輔さんに共感しただけなのを
石田さんが発信したかのような報道の仕方をされたからだと思います。

笠井信輔、航空機炎上で愛猫失った乗客コメントに涙 石田ゆり子も共感「本当に本当に辛い」

自分は石田さんに全面的に共感します。
思考停止で批判するだけでは何も生まれません。
痴漢の議論などでも男vs女にされがちですが、人vs犯罪者で議論すべきなのと同様
ペットを飼っている人を批判するのではなくマナーが気になるならマナーがなっていない人を問題にすべきですし
この問題に限らず何事も少しでもより良くしていくべきです。後世の為に。

 

是非現状を把握してから発言を

既に一部で客室持込みはできます

国際線では複数の航空会社で持込できます。
国内線でもスターフライヤーが持ち込めます。

バルク室でも客室でもクレートに入れたままです

隣に土佐犬が乗っていたら嫌、うちの猫は緊急時に怖がって座席の下に入ってしまうと思う
などの意見を見かけましたが、どこに乗せるにしろクレートまたはそれに準じるキャリーケースに入れたままです。
(プライベートジェットなど一部の例外はあるかもしれません。)
機内でそこから出すことはありません。
また、犬種によってバルク室にも預けられないケース、制限があるケースがあります。

ペットを預ける場合同意書を書きます

ペットが死亡しても責任を問わない、緊急時に持ち出しはできないことを了承した同意書を書いた上で飼い主は乗せています。

客室に持ち込んだ場合でも緊急時は持ち出せません

緊急脱出の際は機内に置いていきます。
今回の件を受けて「客室に」と言う人たちの中にも
これを把握されていない方が見受けられます。
全便持込OKになっても、今回の悲劇はそれだけでは回避できないことに
留意すべきです。

飛行機にペットを乗せる理由は旅行だけではありません

飼主の娯楽に付き合わせるなと同じ動物飼いからの批判も目にしました。
自分も基本的には飛行機乗せたくありません。
今回の件で飼主さんが飛行機を使った理由はわかりませんが
海外転勤で預けられる家族もおらず獣医さんに相談の上
船旅では長時間の負担に耐えられそうになく渋々飛行機で移動したケースも知っています。
他にもペットの治療の為専門医のいる土地へ移動するなど様々な理由があります。

飛行機以外の移動手段がないこともあります

自分が今回多く目にしたのは、車で移動しろというものでした。
しかし例えば今回の札幌から東京の場合、車移動できるルートは存在しません。海外であれば尚の事陸路での移動は無理です。
船や新幹線など飛行機以外のルートがあることはありますが、時間がかかりすぎます。
飛行機に乗せることと、飛行機の倍以上の時間がかかるそれ以外の移動ルートで、どちらがペットに負担がかかるかは飼い主の判断によるでしょう。
もちろん飼い主と一言で言っても責任感のある人ばかりでは残念ながらありませんが
それは人間の親でも同じことが言えますし
飼い主の苦渋の決断を赤の他人が事情も知らず批判するのは非道だと思います。

 

個人の考え

客室に乗せたい

目の届くところに置きたい

繰り返しますが自分は基本的に飛行機には乗せたくないです。でもどうしても載せなければならない場合には客室に乗せたい。
ペットが家族だと理解できない方がいるのは承知ですが、貴重品だと思って欲しいです。
全財産が入った祖父の形見の財布を、預けるよりは手元に置いておきたいだけのことです。
もう少し詳しく理由を申し述べると、例えばクレートにつけておく給水器はボールペンのような構造になっており
気圧でボールが詰まって水が出なくなることがあります。
そうなるといくら舐めても水が出てきませんが、隣に乗っていればすぐに気がついて指で押してやれば簡単に水が出てくるようになります。

預けたペットが乗せられるのは貨物室ではなくバルク室です。しかし気圧の変化や騒音は気になります。いつもと違う状況でひとりにされてはペットは不安になりますが、飼い主の隣にいれば落ち着くことがほとんどです。

少しでも安全なところに乗せたい

国際線では航空会社やその年度によってまちまちですが、0.13~2.14%のペットも死亡事故が起きています。
国内線で死亡事例を公表しているのはANAだけだと思いますが1年に1~3回起きています。

ペットの散歩中の交通事故による死亡率の方がよほど高いことは把握していても、 隣に乗せていれば異変に気づいてやれたのではと思いますし少なくとも室温や水分不足は防げます。航空機事故に遭う確率は0.0009%、死亡する確率は0.00048%。
議論に上がっているのは0.00048%の死亡事故が起きた時に人間が困るから
という話ばかりですが、飼い主として防ぎたいのはそこまで低確率の事故よりも2.14%の気圧・気温変化による事故を防ぎ、自分とペットお互いのメンタルを保ちたいのが主です。

緊急時の連れ出しについて

現状は当然ルールに従いますが、改正されるなら連れ出したいです。
大型犬など物理的に難しいケースもあり議論はなされるべきですが
小型犬は連れ出せない理由が本来無いと思います。
たとえば脱出シューターを使う場合、赤ちゃんはハーネスを使って抱きかかえます。
犬猫でもハーネスやスリングを使って抱くことが普段からある訳で、
ハーネスの中身が人間でも犬でも抱きかかえて滑れるなら同じです。

現状のルールが改正されない場合は置いていくしかありません。
「いざその場になって嫌だという人がいたら嫌」という意見が本当にたくさんありましたが
クレートと座席を固定しクレートのドアも施錠して鍵は貨物室に収納するなど
『バルク室に積み込んだから取り出す余裕が無い』のと同様の状況を
作り出せば良いのではないでしょうか。

因みに今回の件で引き合いに出す人がいましたが、タイタニックでも小型犬は抱いてボートに乗れました。

安全性を脅かすのはペットより人間

安全性の問題に今回の件で興味が出た方が多いこと自体は良いことですが
フットレストなど利用が禁止されているのに使い足元を塞ぐケース、
シートを離着陸時に倒したままにしたがり揉めるケースなどがこれまでもありました。

その他今回財布や鍵を手荷物に入れていて帰宅できなかったケースがあった為ポケットの有無が話題になっていますが
ランニングポーチや旅行ポーチなどは航空会社によっては脱出時NGです。
ポケットがたくさんあるベストにすれば良いなどの意見がありましたが
結局過剰であればNGであり、脱ぐよう言われその場で揉めるのは
隣がペットを乗せている飼主であることより確率が高いです。
あまりに加熱して兎に角ポケットがたくさんあるジャケットになんでも詰め込めば良いという話になるのは危険です。

水族館のジンベイザメが死んでしまったニュースがありましたが
こうして生き物がその生き物に近しい人間は手を尽くしたのに
”人間のせい”で死んでしまう という辛さという点で本質は同じだと思っています。
少しでもそうしたことを減らす為に、「動物を飼わなければいい」
「飛行機に乗せなければいい」は思考停止です。

飼育を免許制にすべき

そもそも無責任にペットを飼い捨てる人間も残念ながらいて、
躾の仕方も本当にピンキリなので、まず飼育免許を持っている人だけが飼えるようにするのが
動物の為だし、飼主がまともであればペットに迷惑をかけられることが前提にならないと思っています。

普段からペットがいると旅行にも中々行けない、賃貸だと住むところも中々見つからない、
あっても敷金高く取られる、など制限があるけれど、
それでもペットと過ごす時間の方が価値があるから甘んじて制限を受け入れています。
制限を受けなくても済むなら正直受けたくない。

飲食店でなくとも、鞄に入れていても入店禁止のお店は未だにある。
飲食店だと臭いや毛の問題と言われるけれど、介助犬はOKなのは矛盾している。
つまり、躾の質がどの程度かわからないから一律禁止されているだけなのだから
介助犬並みに躾が出来ていると認められるなら入店しても良いとしてくれれば良いのにと思うわけです。
因みに介助犬は飛行機も客室内に同伴できますし緊急時の脱出も基本的には一緒にできます。

級でも設けて何級以上なら飲食店OK、機内持込可・脱出時も持ち出しOK、
そこまで躾ができていないなら持ち込み不可など制限すれば良いのです。

今回の事故でこの議論が巻き起こり、介助犬ユーザーが脱出時周りになにか言われそう
と不安になっているという話も聞きましたが
一律躾がされていて飼主の命令が聞けるまたは飼主が抱えて強制的に移動などがさせられるサイズはOK
と決めてしまった方が周知もしやすいのではないでしょうか。

 

その他ネットで見かけた意見について

建設的でない、否定するばかりの言葉ばかり見かけました。
「飼主が断腸の思いで諦めてペットを置いていっても鳴いているそのペットの横を素通りして逃げるの悲しくなるから嫌」
は唯一納得できました。
全般的に口汚く罵ったり頭ごなしに否定したりのやり方が、ビーガン叩きと似ているなと思いました。
普通のビーガンは人に押し付けもしないのですが、ネット上のイメージのビーガンは押しが強く揶揄される対象になりがちです。
「相手は馬鹿」「相手が100%間違っている」というスタンスで、自分が正義なら何を言ってもいい」という感じで見当違いな批判が多いです。

  • 海保の人よりペットが大事か
    そんなことは誰も言っていません。論点のすり替えですし、そもそも事故については調査結果が出るまで素人は余計なことは口にしない方が良いです。
    動物を下に見ている人が動物愛護活動をしていると「人間の方が大事だ」といちゃもんをつけてくるのはあるあるですが、どちらも大事で今自分は動物を助けているだけです。
  • 犬が大事なら一緒に死ね
    そうしたいです。上でも書いたタイタニックだと、楽団やご夫婦など残ることを選んだ方たちはいらっしゃいました。犬を置いていくくらいなら残りたいですが、何故かそれが許してもらえないです。
    尊厳死が認められるようになったら変わるのでしょうか?
    イラク日本人人質事件で、もし捕まっても助けは必要ないと事前に署名書類を残していっても駄目だった話を思い出しました。
    自分は可能なら大型犬用クレートに愛犬と入ってバルク室に乗りたいです。
  • 犬は牙と爪がある
    ありますがそれを人に向けることは基本的にありません。またクレートに入っていれば届きませんので関係ありません。
  • おしっこやうんちを隣でされたら嫌だ
    躾方にもよりますがトイレでないところで糞尿はしません。クレート内ですることはありません。緊張もあってしないことが多いでしょう。またおしめをすることも考えられますが、それは人間もしているケースがあります。赤ちゃんが隣でおしめの中におしっこをして、その臭いが不愉快になることがあり、だから赤ちゃんを飛行機に乗せるなと思うのでしょうか。
  • 鳴き声がうるさい
    これも同様躾けによりますが吠えません。
    赤ちゃんは感情で泣きますが、躾けられた犬は命令に従います。
  • アレルギーがある人に迷惑
    大抵の場合ペット持込み出来る席は後部の一部に限定されているので、
    予約時に申告をすればそこから離れた席に割振られる事になると思います。
    飛行機に限らず電車など公共交通機関でクレート等に入れたペットを輸送しているケースは
    飛行機で隣に乗り合わせるより多いと思いますが、
    普段はどうやって対応されているのでしょうか。
  • ペットは物です
    法的にはそうですが、愛護法も成立し少しずつ変わってきています。
    ペットは家族、というのを他人が理解できないのは仕方ありませんが
    生き物ですらないとわざわざ言いに来るのが不可解だなと思います。
    動物虐待が器物破損でしかなかったのが、愛護法の成立により
    軽い刑ではありますが罪に問えるようになったように、
    少しずつ良い方へ変えていくべきです。
    動物など弱いものに優しい社会は、全員にとって生きやすくなるはずです。
  • 人命優先
    人間はどうなってもいいからペットを助けて、とは言っていません。
    可能な限りどんな命も助けたい、その為に取れる方法はないか、
    という話もさせてくれないのはなぜでしょうか。
  • 隣に土佐犬や爬虫類が乗ってたら嫌でしょ
    別に嫌ではないです。ケースに入れられていて、出してけしかけられなければ特に何の問題も感じないし、
    ナンパして来たりいちゃもんつけてきたりするおじさんより余程良いです。