仕事である以上結果が全てで、がんばったで賞なんてない。
でもその仕事でも、チームでやったはずが
「おまえの仕事じゃないだろ」と外野からは思われる。
こういうのは本当によくあることだけれど、
時々積もり積もってきつくなるよなと思う。
アーティストと違ってクリエイターでサラリーマンだから
やらなきゃいけない案を出すしかないが、それだけなら自分がやる意味が無いわけで、
やりたい案との折衷案を出してなんとか食らいついていくしかない。
商品が売れるのを目の当たりにしてひとり静かにガッツポーズをする流川が恰好良い。

エレンの「努力して報われる世界ならパパは死んでない」
という台詞もとても刺さる。
彼女がそう思うに至ったことも仕方のないことで、誰かが悪い訳でもない。

朝日に見とれて車道に飛び出す光一。
それが答えだという確証がなくても、お父さんが自殺ではなかったかもしれない
と思えるだけで十分な救いになるだろう。

考え悩み学ぶ、それが天才になれなかった人間の持ちえる唯一の武器。
絵が好きだったからデッサンが上達しない、理不尽な世界。
人の夢が終わるのをもう二度と見たくない。
そんなエレンが下手くそ、と笑いながら光一の絵の前で鉛筆を手に取るところがぞくぞくする。