二海堂のエピソードは、
いつも明るく振舞っているだけに、時折描かれる内面に
読んでいてひりひりする。

泣くのは怖くない。
俺が怖いのは泣いた後そのまま立ちあがれなくなること。
泣くことが辛くない訳はないのに、とても強く前向きで恰好良いのだ。

しつこいわんぱくなんてほんと最悪、
しつこい汚れみたいなもんで落ちないという言い草が面白かった。

強くなるには、ライバルが必要。
でもそのライバルが強すぎたら。
到底勝てないと打ちひしがれて立ち止まってしまってもおかしくない。
それを月と太陽にたとえられていたのが秀逸だった。
結果に腐らなければ、結局どちらも輝くのだ。

大人で味方になってくれるの花岡だけだと思っていた二海堂が
師匠と出会ったときどれほど心強く、世界が開けた気持ちだっただろうか。

じゃぼん団子のエピソードはお祭りみたいで楽しい。
カレーまで出してしまうところがさすがあかりさんだし、
隣のお肉屋さんが営業してくるのも下町っぽくて面白い。
客がみんな笑ってるなら、その商売は真っ当だ
売る方も買う方もそう方が笑顔 それが良い商いだ
というおじいちゃんの言葉がとても素敵だった。

二海堂に桐山が応えるようになったら暑苦しくなっているのには
微笑ましいながらも笑ってしまった。
牛乳買ってきて、とメッセージが届く距離感も良いし
そんな零ちゃんを見てスミスさんと島田さんが
"何かを思い出す"のも良い。
二海堂がひなちゃんのことを、ひなくんて呼ぶところ、
彼らしいしとても可愛い。

人間なら倒せる、という言葉も痺れた。

あかりさんは定食屋もやればいいと思う。
Uber Eatsとか配達専門にすればいけるんじゃなかろうか。笑