流血沙汰になっても思ったよりビルとレゴシの関係は悪くならなくて、
確かに野良猫なんかも時々そういう喧嘩をしているよなと思う。
血を飲んだことも、ルイは最初から期待していないとモラル問題で扱っている。
うまく取材を収めたのは流石だけれど、その前に一瞬18歳らしい表情で揺れたというのが印象的。

ジャックは本当に可愛らしい。
レゴシの事も気づいた上で普通な態度なのが、レゴシの友達であり、
陽キャな犬らしさでもあり面白い。

本当に怒らせて怖いと思ったら目の前でつまらない嫌味など言えないと思うが。

君と目を合わせるためなら俺
いくらでも尻尾汚すから
という表現が詩的。

レゴムの玉子サンドの話、短いけれどとても好き。

ジュノを颯爽とではなく兄だと偽って
助けようとするところがレゴシらしい。

闇市の前で自分の指を売っている草食がいるのは衝撃だった。
アオバが学校ならレゴシにつくが外ではビルにつくというのも驚いたものの、そういう世界なのだ。
実際外で暮らす大人の肉食獣達はどの程度が肉を食べているのだろうか。
こんなに“正しい行動“をしたがっているレゴシなのに、本能では肉が食べたくて、悍しい裏位置で涎が止まらなくなるというのもまた衝撃。

闇市の医者を、哺乳類で草を食べる元肉食である
パンダに設定するセンスが凄い。
肉食への執着はドラッグも思わせるし、
死んだ肉を買って食べる闇市での大人たちの行為は
大抵の人間たちがしている行為でもある。

闇市を出た時、アオバがレゴシを待ってくれていたこと、
ルイ先輩や草食の友達のことを思い出したらとても指を食べられなかった、という告白が泣けた。
こんな時でさえお前のくちばしは尖そうで綺麗、というモノローグが良い。
思わず泣いてしまうレゴシをバカにする訳でもなく
ハンカチ持ってない、大丈夫かと言うアオバはやっぱり良い子なのだろう。

ただしっかりと立ちたいだけ。
それが難しいのが大人の世界なのだろうか。
力だから強いからなんでもできるかと言えば
逆に不自由になることもあるというのがよく分かる。