ただ手に取っただけだったのだが、読んでいる内に
これは企画物なんだろうなぁと気づいた。
あとがきを見ると、やはり猪苗代湖の音楽フェス「オハラ☆ブレイク」で毎年配布されていた連作短編の書籍化とのこと。
さくっとライトな気持ちで読める内容で、それぞれ単話だけでも楽しめるけれど
全てを読むと最高に楽しいという
伊坂先生らしさ溢れたエンタメ小説。

自作で過去に使ったネタ、に気づいた時ににやりとして
ワクワクしながらページを繰った。
歌詞の引用を、自分の発想に無い言葉で自分の文と思われるのが申し訳ないからと、フォントを変えているところも好きだ。

どこかの誰かが幸せでいたらいいな、笑っていたらいいな。
だいそれた気持ちでもなく、恋人とか親しい人だけでなく、そんな気持ちになるし
それが実現したらいい。
ライトな読み味の中にも大切なことがさらりと織り込まれていて良いお話だった。