ネタバレなしの簡単な感想

初動に貢献したく、初日はスケジュール的に無理だったけれど
日曜日見てきました。
パンフとか一切買ってないし、公式サイトのあらすじも極力見てない状態での鑑賞。

役者さんのお芝居や殺陣は今回も見応えがありましたね。

一言で言うと、色んな意味で特撮だったなぁと。
序盤は非常にワクワクした。
コスプレに慣れれば時代劇好きにもおすすめだった『継承』に比較すると
話運びなど良くも悪くも特撮に寄っていた感じがありました。
まぁ脚本が代わると聞いてある程度予想はしていたところではありましたが
正直ちょっと期待し過ぎました。
『歴史を守る刀剣達の戦い』とはちょっと違ったかなと。

上からのアングルでの殺陣は美しかった。
特に太刀の長さは圧巻。

 

ネタバレありの感想

つまらない、ということは全然なかったんですが、
面白かったかと言われるとうーん? って感想を抱きました。
以下詳細述べていきたいと思います。
前述のとおり、パンフなど映画以外の情報を持っていないので
見当違いな考察を述べる可能性があります。

 

継承の続きじゃなかったんですね

『継承』の審神者の成長した姿が見られるのかと思っていたので
ちょっとがっかり。
特に三日月のお芝居がステや継承と較べて結構若めに見える気もするし
継承本丸とはまた別の本丸か、時間軸がもっと前なのかもしれない。

 

人選の理由が見えてこない

なんであの人選、所謂”刃選”だったのかなと考えた時に
どうもいまいち理由がわからなかったんですよね。
一部隊が六振だから六振出してる感。
必要性があったのは三日月だけ、
キャラ的にあの役回り合いそうってのはまんばちゃんと長谷部、
で、他の刀達って必要性あったかなぁ?と。
『継承』ほど必要性が無かったように思ってしまう。

 

史実との関連が期待より薄め

安倍晴明と藤原道長と頼光四天王を持ってくる必要はあったのだろうか。
てっきりもっとストーリーに関わって来ると思っていたので、
あんなちょい役だとは思わなかった。
渡辺綱と言えば髭切、だから必要性があって髭膝が励起される展開なのかと期待したのだけど。

 

”とある本丸”設定が微妙なような…

刀剣乱舞の特筆すべきところのひとつが”とある本丸”設定だと思っている。
正直ムビ本丸はステ本丸に寄り過ぎだけれど、
戦国か幕末かで戦国になってあの刃選だったのは納得だし
そうなるとある程度刀剣乱舞の経験値がある役者を持ってきてくれた方が良いから
継承本丸の時はさほどそういう気持ちにならなかったのだけれど
正直ほぼステ本丸ですよねこれ? という
申し訳ないけれどネガティブな気持ちの方が強い。

そもそもステ本丸で、同じ刀だけれど違う役者が演じる場合があることに
意味があるとされていて
ミュ本丸でももしかしてそうかもしれない説も出ている中で、
ミュステと違うムビ本丸で、ステ本丸でも継承本丸でも長谷部を演じている
和田くんが演じる長谷部が(ややこしい)
てっきり三日月と同じ本丸で別行動かと思ったら別本丸設定だったのが
ちょっと納得いかない。
だったら別の役者がやるべきでは…。
三日月と長谷部は同じ本丸設定でも良かったのでは?
六振送れないから一振ずつ送ってるけど場所がずれちゃった的な。

確かに長義が複数の本丸で戦う云々の話をさらっとしていたけれど、
だったらだからこそいろんな役者を出せば良いと思ってしまう。

 

三日月がアバウトで面白い

琴音ちゃんと三日月の出会い方は厨二心を擽るワクワク感。
ギターケースに刀隠せる! 成程! とも思ったけど、
抜身じゃなくて鞘を下さい三日月さん…。
少なくともあの場から帰る時はギターケースの中ギターが入ってるのに
ケースもギターも刀もみんな傷ついちゃうじゃないですか…。

博物館で中から三日月がファスナー開ける描写面白かったけど、
鋒がにょっきり出てくるのはあれはあかんでしょw
琴音ちゃんが銃刀法違反で捕まってしまいますよ?
まぁ「はぁい!」があるから大丈夫なのかな。
あの技、かける人とかけない人がいるのも本当は不自然ですよね。
他の媒体、特にステなんかでも、現代人にどう見えてるのよ?って
思うことはよくあるんですけど、そんなにアバウトで良いなら
現代には遠征しづらい感あんまり無いかな。

琴音ちゃんの学校まで着いていったのは
父兄参観かな? ってめっちゃ可笑しかったです。

 

現代に遠征しにくい設定が矛盾している

三日月がはい!で簡単に記憶改竄、というか意識を逸してる、のか
できちゃうのがちょっとなぁ。
記録媒体の多い現代は改変しにくいという情報、
仮の主ギャル審神者こと黒田さんが写真を撮ったこと
(普通ああいう時は動画で撮るとは思うが)、
そこを襲われそうになることで
やはり時間遡行軍としては記録されると困るのかと思ったし、
何故この現代に遡行軍が来られるのかという理由として
思い入れが無ければ記録しようと思わないから、というのは成る程!と思った。

それだけに、思いが戻った筈の人間たちが、
食い入る様に見守っているからと言って1人も携帯を握りもしていないのは
違和感があったし、何よりあれだけ大騒ぎしていたのに
時の政府が記憶改変を行ったから大丈夫、は無いだろう。
そんなことができるなら、刀剣男士側も送り込むことは容易になるのでは?
少なくとも各とある本丸だけなら無理だけれど、時の政府側の長義がいる訳なのだから。

 

 

クライマックスのシーンが物足りなかった

スカイツリーで琴音が伊吹を説得するシーンは好き。
ただ”刀剣男士の物語”ではなかったし、
『継承』のように刀のみが知り得る、
刀だからこそ知り得た物語でも無かった気がしてしまう。
それこそもっと鬼切が云々という話になるとか、
酒天童子のあの場にいたまんばちゃんがもっとキーになるかと思いきや
伊吹との絆にとどまっていた印象な上、
操られていてのことで本来のまんばちゃんではなかったのもモヤモヤポイント。
なんで操られていたのかもよくわからないし。
まんばちゃんが個人的に入れ込んで、たとえば刀ミュの幕末の安定のように
肩入れしてルール違反かもしれないけれど寄り添ってしまう、
とかの方が自分好みだったかな。

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~幕末天狼傳~

それと、千年の呪いが浄化されるまでの説得力があったかと言えば
自分は否だった。

そもそも歴史を守らなきゃ感があまり感じられなかったんですよね。
序盤だけだった。
確かに長義が、次々起きる事態に対処するだけで精一杯的なことを
言ってましたけども。
後半は歴史云々よりシン・ゴジラ的な政府と共に外敵に立ち向かう要素の方が強かったし、その緊迫感もシン・ゴジラの下位互換に思えたし。

シン・ゴジラ

琴音があなたのこと知らない、と言うのは良かったけど
ならどうやって千年の恨みを解くのかというところなんですよね。
まだ、たけるの思いを打つける的な、
その為に拾って持ってたボールなんですみたいなのならまぁ。
でもそもそも伊吹は酒呑童子の子孫なのか転生なのかも分からなくて、
17歳の少年が酒呑童子を抑え込める説得力が感じられなかった。

まんばちゃんが斬ったとき、伊吹は自分の命を犠牲にして
日本を救ったのかと思ったので、生きてるんかいってなりました。
いや、その方が良いので良かったんですけど。

 

圧倒的尺と描写不足

長谷部とギャル審神者をもっと見たかった

琴音と三日月がメインなのは分かるが
ギャル審神者と長谷部の話ももっと掘り下げて欲しかった。
見た目も話し方もギャルだけど話す内容は中々知的で、名字が黒田って言われたら
おっと思ったけど、尺が無さ過ぎる。
名字を知った時の長谷部の驚き方は良かったけど
そのまま一言も発せず消えちゃうのは寂しかったし
この辺りの説得力がないと子孫かも設定も取ってつけた感があってとても残念。
高速バスのシーンも思っていたより一瞬だったし、
関係性をもう少し描いて欲しかった。
水五訓をさらっと言うところとか良かったのにな。

 

長義と各務さんももっと見たかった

長義と仮の審神者の関係は良かったな。
もう少し描写して欲しかったし各務さん台詞無さ過ぎだったけど、
信頼が出来てる感が良かったなと。
でも、世話になったんだふーんて感じで世話になった感はあんまり無かったよね。
もうちょい各務さんの、人としてじゃなく政府の人としての
活躍があっても良かったと思うんだけど。

 

源氏兄弟はもっと活躍してくれるかと思った

本丸組の次に源氏兄弟の扱いが納得いかなかったです。
上述の通り、安倍晴明や鬼切の名を持つ刀と酒呑童子を伝承上切ったと言われる人、
鬼切を所持していた人、神職という“プロ”が揃ってまさかその辺り何も無いとは。
わざわざ髭切を所持する北野天満宮で撮影してくれたからって
期待値上げ過ぎたんだろうか。
だってゲームの髭膝には樋が無くて反りが浅いけど
このムビ本丸の髭切には樋があって反りが深くて、
鬼切とか髭切とか呼ばれる太刀は複数あるけど
北野天満宮にある髭切は樋があるし反りが深いんですって言ったら
期待するでしょう、何かあるんだって。
北野天満宮の髭切は綱の刀で、酒呑童子の鬼退治の刀説もあるのに。

大人の事情なんだろうなとは思いこそすれ、
京都から東京にわざわざ飛行機で出て来る理由をせめてつけて欲しかったよね。
京都から空港行くくらいなら新幹線の方が絶対早いし楽。

 

本丸お留守番組が不憫

で、やっぱり本丸お留守番組。
何故この六振だだったのか理由が全く見えない。
しかも活躍全くしないという。
色が失われ云々のところで、
お、ここからお留守番組の迎撃が継承みたいに始まるのかなと思いきや、
次々ばたばたと倒れて終わってしまうとは思わなかった。
わざわざ多人数を出演させて、
見せ場も意味も無くて別に他のキャラでも良かった感は
おたくとしてはそれは無いわーってなりました。

 

シークレット刀剣男士の感想

染鶴が出てきた時は叫びそうになったし健鶴が見られたのも嬉しいことではあるけど、
結局ステ本丸じゃん…多くの本丸で戦ってる設定ならミュも全員出してくれたらいいし、
合成でも宣材のカットで静止画でもいいし、
なんなら得意のウィッグと衣装を着たエキストラさんでもいいから
たくさん出せばいいのに。
倶利伽羅江まで出てるのにミュ本丸は完全無視ですかはいそうですか
と不貞腐れていたところの石切丸ー!

私ミュ公式のツイートも見ないまま劇場へ行ったので
本当に驚きました。

でもこれはこれで、何故石切丸だけ?という疑問……。
たまたまスケジュールが合ったのが崎山さんだけだったの?
もしそうでもやりようはあったのではって思っちゃいます、私は。
あとは倶利伽羅江が存在する本丸って継承本丸だけの筈なのに
どこぞの本丸の精鋭として送り込まれてるってことはそこが継承本丸なのか?
石切丸さんがミュ本丸代表で、健鶴がいるのがステ本丸で?
それともそんな深い意味は無いのか。

 

琴音と伊吹の関係値

博物館で、いくらヘッドホンをして俯き加減とは言え、
伊吹と琴音があの至近距離ですれ違って気が付かないの違和感があった。
記憶消されてるんでしたっけ?

長義が「覚えていてはやれない」って言ってたし、人間はおろか
刀剣男士たちも全員記憶消されてるってことなのか。

伊吹と一緒にいた女性はバッジをつけていた?博物館の職員とか
保護系統の施設の人とかそんな感じなのか。
博物館に来られる環境で生きているらしいのは良いことだと捉えて良いと思うけれど
単純に生きてます描写なら親戚に引き取られて笑顔みたいなので良いと思うし
敢えてのこの描写はどういう意図があったのだろう。

前作のタイトルは継承。今回は黎明な訳だけれど、これが黎明期になる理由は。
琴音と伊吹が揃って居る未来に意味があるのかなと。
若しくは日本から酒呑童子の呪いが解かれたという意味か。

誰もが審神者になれる可能性がある、からの2015年ゲームリリースって言いたいのかな。
ここから3年の余白はなんだろう。

伊吹と琴音が結婚してその子孫が黎明本丸の審神者説は
なるほどと思ったけど、個人的にはあんまり好きな設定じゃないかなぁ。

 

何故2012年が舞台だったのか

大江山が995年、千年後の1995年に生まれた伊吹と琴音が2012年には17歳。
三日月が展示されていたのも2012年。は分かるんだけど、
2012年である必要性がどうも見えて来ない。
酒天童子の千年の呪いと伊吹の暗い気持ちがリンクして憑依したのかなんなのか
そうして酒天童子の角を手に入れたのが2012年だとしたら、
17年発動しない呪いもなんだか不思議な気がしてしまうし
どうも納得がいかないというのが正直なところ。
話によるとシナリオブックには、あれが大江山と書かれているらしいが
てっきり樹海とかその辺りかと思った。

伊吹童子は酒呑童子の幼名説もあるから、なんらかの理由で
まだ子供だから呪いが発動できなかった、とか?

シナリオブックとか他のものを見るとより理解が深まるパターンは大好物だけど
見ないと重要なことがわからない、のは好きじゃない。
映画の中で一応完結させて欲しい。

実は3作目が決定していて、2012年の意味が明かされるとか
石切丸がクローズアップされるとかだったら胸熱、
だけどやっぱり黎明の中で一定の完結をさせて欲しかったなとは思ってしまう。

ミュもステも好きだし、継承の時は先程も書いた通り幕末か戦国かで、
当時ステには幕末の刀は揃ってなかったし
じゃあ二作目は幕末を舞台にミュキャス中心でやってくれたらめっちゃいいな
とおたくの妄想としてほんのり期待はしたけど
まぁ無理だろうとは思ってた。
二作目の時期的にもステで幕末刀出ちゃったし、仕方ない。

けどどうもあの”サプライズ”、私は嬉しいよりもやもやしちゃったな。
仮にミュ清光があの中にいたとしてもそれは変わらなかったと思う。
なんで? ってなっちゃう。
普段から伏線張りまくりのストーリーが好きだから深読みし過ぎたし
期待し過ぎちゃった自分が悪い。

あと、少し騒がれてたけど映倫区分Gで
特に年齢指定もせず特撮アクションとしか謳っていないのに
切断や虐待描写なんかがあったのはちょっとどうなのかなって
自分も思いました。
公式アカで注意喚起しても良かったと思う。

ということで、継承が好き過ぎた分
黎明は Not for me ですごく残念でした、というお話。