違国日記 7 (フィールコミックス FCswing)

笠町と塔野がたまたま会って一緒にご飯を食べるシーンが
変な下心や駆け引きなど一切なくてなんだか好きだ。
男社会の洗礼から降りてやっと人間になれた、と話す
笠町くんが印象に残る。

愛されることに屈託は無いのに、長所を褒められると座りが悪い朝。
人がものづくりに手を出そうとしていると嬉しくなるという慎生ちゃんが可愛い。

姉に傷つけられてきて嫌いだという感情とは分けて
朝をここまで育てたことを「姉さんは立派だ」と言えるのが慎生ちゃんらしい。
自分だったら母親の残した日記なんて読みたくないなと思う。重すぎる。
それを残そうという発想自体がまず重い。
読みたいと思える朝はやっぱり愛されてきて、お母さんが好きという感情の方が他の感情より大きいのだろう。

朝にひどいこときいていい?と訊く千世ちゃんは、
自分の人生終わったと思ったのだろう。
自分より酷い境遇で悩んでいるだろう朝が、
「終わってない、生きてるから」と答える強さ。
すごくさりげないやり取りだからこそきらきら光って目映い。
落ち込んでる友達に来てもらいたい、というのは
来たら元気になる自分の歌でという気持ちがある訳で
やっぱり朝は強いと思うのだ。
だから、自分の行動が世界を変えうると信じていられる。

誰のために何をしたって人の心も行動も決して動かせるものではない、
そうわかっていてなおすることが尊い
と、気持ちをくじくために言うんじゃないという前置きをして言ってくれる慎生ちゃんは誠実な人だなと思う。
ある意味、正しくありたいと行動していた実里と似ているのかもしれない。

千世ちゃんが目の前じゃなく廊下の前から見て、
おつかれ、I witness youと声をかけるのも
それを見てかっこいい、なんかずるいと朝が思うのも可愛い。

優斗がツイートする描き下ろしになんだか泣きそうになった。
結果なにも変わらなくても、多分これだって世界を変える行動だと思うのだ。