まるでエッセイみたいなふんわりとした小説。
特別不思議だったり大きかったりする事は起きなくて
誰にでも起きる日常の中のちょっと重いこと
それでも生きていく、続いていく日々という感じの
読み終えた時に特別笑えて面白かった!
ではなくほんのり軽い気持ちになれる小説だと思う。

恋人や夫を女友だちの代わりにしちゃう人は多い
というのは確かに、と思ったし
「真理子さんを忘れる必要はない。でも、区切りは必ずある。薄れ ていくのが自然なんだ。今はほんとうに悲しむしかないときだから、ただしんぼうするしかないよ」
という言葉も本当にそうだなと思って沁みた。

情け嶋が一番好きだったが、
その中での「だいじなのは、突き詰めないこと。」
も、シンプルだけどとても響いた。
若い頃は突き詰めることが正しいと思っていたけれど
突き詰めないことでうまくいくこともあるのだ。