遂に物語も終わりに近づき、丁寧に描こうとされていることはよくわかるのだが
心理描写や展開が回りくどく思えてしまう。
これまでの大会のような圧倒的な熱が
自分には感じられず、シーンごとに描写がバラバラに感じる。
全国高校かるた選手権の頃の正に手に汗握り
結果に涙した時のことを思うと、
あれより大舞台であり集大成である今の試合なのに
妙に上滑りして感じられてしまうのだ。

シリーズ通じて、誤った資料の引用や
間違った知識など時々引っかかる描写がある。
登場人物、たとえば名人が非常識なのはそうしたキャラクターなので良いのだが
そうではない描写はどうしても気になってしまう。

ちはやちゃんとしのぶちゃんの休憩中のやり取りは
相変わらず好きだし、試合結果がどうあれ
戦友として仲良くなって欲しいなと思うところ。
個人的には器用貧乏の太一に非常に思い入れがあるので
彼にも幸せになってほしい。