平賀源内は有名な割に史実でも晩年など謎のある人なので
自由な設定にしやすい部分もあったのだろうか。
実は気っ風の良い女性というところが良い。
彼女が連れてきた吾作が青沼と名を変え大奥御右筆になり
蘭学に対する偏見の中で少しずつ新しい風を吹かせていく。
コロナ禍に読んでいるので、赤面疱瘡への対策が
石鹸での手洗いというところが印象的。
やはり基本は大事だし、そんなことで、と疎かにすると
そこから崩れていくのだ。

将軍家治と御台所のエピソードも心温まる。
特に御台所が飾らない方で、一緒に講義に参加しようとするところが良い。

教科書ではあまり良いイメージの無い田沼意次の
描かれ方も丁寧で素晴らしいと思う。