主人公が合理的に考えて感情に乏しい人間であったことが描かれ
妹が兄を嫌っていたことなども明かされると
読み手も微妙な気持ちになってくる。
その隙につけこむように主人公以外のサイドの物語が挟まれる訳だが
それはそれでどうも、感情移入もできない内容。
どちらにも肩入れできない状態で読みすすめることで
どうも居心地が悪いというか、肌触りの悪い気持ちになる。

戸崎が自分の大事な人を助ける為には
他の誰を犠牲にしても良いと思うのはまぁわかるが
そうは言っても限度もある。
亜人は経済動物というのは、そう考えているならば
様々な実験も実際人間が動物にやっていることに近い
(意味があるのかと思うような、ハンマーで犬の足を殴って潰し、治すを繰り返す動物実験などいくらでもある)のだが
それが問題視されてやっと最近では、殺すにしても
不必要な苦痛を与えないよう麻酔をかけるなどの
法整備がされてきたところである。
亜人に対しても当然、人ではなく経済動物としてみなすにしてもそこは重視すべきだろうが
世間は公開された動画が事実だと思っていないというのもポイント。

佐藤の思惑もまだよく見えてこない。