【読了】江戸の備忘録 (文春文庫)

教科書には載っていないけれど
知っていたら歴史が面白くなりそうなエピソードがたくさん載っている。
多少偏っている感があり特に幕末は西軍寄りな雰囲気はあったが、初心者の方でも楽しめると思う。

信長が大蛇を探す話や、
秀吉がお稲荷さんを弾圧したり
竜宮城にお願いをしたりするエピソードが面白い。
家康が騎馬と水泳を大事にしたというのもなるほどと思った。
岩槻城の太田美濃守資正が犬好きで軍用犬を飼っていた
というのも、先見の明があるように思う。

鷹山の話で、当事者意識という表現がわかりやすかった。
罪人が出るのは自分のせいであると考えるのは
非常に繊細だが、それくらいの当事者意識を持って
政治家には政治に当たって欲しいと思ってしまった。

江戸時代は変わり者がやりたいことをやれて
一見無駄に見えるものに寛容だったというのが
なんだか羨ましい。
からくり儀右衛門こと田中久重の両親が、
家のことは無頓着で良いと言ってくれるところがすごい。

蓮月尼が自分の為に棺桶を用意しておいて
普段は米櫃にしていて、しかも困った人がいたら
棺桶を譲ってしまうというのに驚く。

とかく日本は子育てに向いていないなどと言われるが
それは飽く迄現代の話で
日本人の子供好きは世界的にみても類例のないぐらいで可愛がられて微笑ましいと外人が記録している
というのは誇らしくもあり、現代が残念にも思えた。