風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)

少しずつ境遇の似た少女二人のそれぞれの視点から
物語が語られていく。

小野さんは、物がわかっていないのに小生意気な子供を書くのが非常にうまい。
正直、ちょっとイライラしながら読み進めた。
鈴も祥瓊も立場が急変したことは気の毒なのだが、
できない、知らない、自分は悪くない、仕方ないという考え方で、被害者意識が強く
自分を省みたり努力をしたりというところが見えない。

景王への憧れが恨みに変わるところなど、ハラハラしどおしだ。

陽子は謂わば味方が一人もいないような状況で、
麒麟は味方ではあるのだが、親しく心を打ち明けられる関係でもなく
官に振り回されている。
そんな中で一人で市井を見て回ろうと考え、実行に移すところがすごい。
自分は海客で、この世界のことを知らなさすぎる。だから学びたいという
真っ直ぐな情熱に心動かされる。