この前電車で、私は座って本を読んでいたんです。
私の前に立っていたおとうさんも本を読んでいました。
ハードカバーの本で、多分自分で包装紙でカバーをかけている本。

そしたら隣のおとうさんが、
「大変失礼ではございますが」
と言ったので、え、なんだろうと思って私も顔をあげたんですが
その人は本を読んでいるおとうさんに、
「今読んでおられる本、なんていう本か教えていただけますか?」
って訊いたんですよね。

で、訊かれたおとうさんはカバーを剥いで、
しかも剥ぐときにカバー間違って破っちゃいつつ
表紙を見せてあげていました。

「すみません、横から見えてしまって。面白そうだなって思ったので」
ちょうど降りる駅についたようで、見せてもらったおとうさんは
「ご丁寧にありがとうございました。私も買ってみます」
と挨拶をして降りて行かれました。

おとうさんはにこにこ挨拶を返して、カバーをかけ直して
読書に戻っておられました。

正面でカバーをかけないで本を読んでいる人の表紙を見て
うわ、それ面白いよね!とか、それ面白いのかな、私も気になってるんだよ!
って思うこともあるし、
隣に座っている人の本の内容がちらっと見えて
うわー、めっちゃ面白そう私も読もう!
って思うこともよくあります。

タイトルがわからなくても、登場人物の名前とか章タイトルで検索すると
結構ヒットするので、それを手掛かりにすることってあるんですよね。

モモの愛蔵版
http://goo.gl/SBOezi
とか、  電車でおにいさんが読んでるの見て買ったんですよ。

でもここまではよくあることでも
直接訊いてみちゃう勇気はコミュ音痴なわたくしには無理なので
訊いたおとうさんすごいなーと思いました。
自分だったら確かに、この訊かれたおとうさんみたいに表紙見せるだろうし
で、なんならちょっと話弾んじゃったりなんかするだろうなって。
と思うんだけど、訊いちゃうのはちょっと勇気いるなぁ、やっぱり。

洋服なんかでもそうだけど、自分で選ぶと同じようなのばっかり手にとっちゃうから時々ネットや電車で見かけた本とか手を出すんだけど
それで自分の世界が広がることも多いから
勇気を出して

私にも教えて下さい!って入れば良かったな
と後からちょっと思いました。 

でもなんかおとうさんがふたりともにこにこしてたから、
微笑ましくて私もにこにこしちゃいました。
いいよねこういうの。

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