全体的な感想
2020年4月3日から5月22日に毎日放送「ドラマ特区」で放送された
テレビドラマ
ピーナッツバターサンドウィッチ
テレビ神奈川にて視聴。
漫画は一部読んでいるだけ。
佐藤流司さんが出演されるというので見てみた。
漫画は実際の読者アンケートを元に描かれているそうで
確かにリアリティを感じる部分はあり、
わかるわかる、と思うところもある反面
ドラマならではなのか、何故そうなるのかというすれ違いも多く
そういった恋愛ドラマが苦手な自分には苛々する展開も多かった。
初めは美晴が一番自分と近いかと思って見ていたが
意外と沙代のポジションの方が共感できるところがあった。
ただ、憧れの先輩が思わぬ人と付き合っていて結婚すると聞いて
動揺するのはわかるものの、自分の仕事を認められて
先輩の会社に誘われること自体は、自分なら純粋に喜んでしまうと思う。
恋人がいるかどうか確認もせずに、「帰りたくない」と言うのも
沙代の落ち度ではある。
笹山先輩も大分鈍いところはあるが。
青木が最初から最後までひたすら良い人である。
気がつくと周りの相談ばかり乗っているという沙代の境遇は
かなり共感できたし、だからこそ幸せになって欲しいとも思う。
恋愛模様について
時田が初対面でその日の内に路上で、断りもなく
突然キスしてくるというのは自分としてはかなり地雷行為だった。
美晴が嫌ではなかったという時点で、深層心理では既に
大分惹かれていたということなのだろうか。
次に会った時に謝ってきたのでまだしもかなと思ったら
たものの
手を握ってくるあたり反省しているのか? という気持ち。
確かに涼太はだらしない気はあるが、悪いことはしていない。
美晴は自分で言っていたように、美晴がしていることは浮気でしかない。
慎は救いようがないと思う。美和が彼のどこに魅力を感じているのかもわからない。慎のどこに、少なくとも二人の女性に好かれるだけの魅力があるのだろうか。
美晴の気持ちはわからないでもないが、
私だったら友達よりも気持ちを涼太に直接ぶつける。
女と一緒にいるところを見つけたら追いかける。
浮気だとしても、今後の証拠として写真も撮っておいた方が良い。
単に友達の可能性だってあるけどあの距離感は不愉快なので
浮気なのかそうじゃないのか、そうじゃないとして釘を差しておくべきだ。
時田が放送で美晴がいるのが品川だと気づいて、
泣いていると思って来てくれるのは良いのだが、
その放送が聞こえる場所をある程度特定できてるとかでもないなら
ちょっと疑問である。
やっと見つけたと言うからには探し回っていたようだし。
少女漫画の見過ぎという気持ちになる。(原作は確かに漫画なのだが)
美晴が涼太への復讐心に近い気持ちを持って時田と会おうとする
というのはわからなくもない心情だけれど、その前に涼太の浮気確定していないのに
突っ走ったら自分が浮気しているだけになるのでは、
と思って見ていたので案の定だった。
沙代もけしかけた部分もあるわけだから、速攻で電話して止めてあげて欲しかった。
美晴と涼太はお互いの仕事等の予定を把握しあっていないのだろうか。
美晴は同棲相手に外泊についてどう言い訳をしているのだろう。
「夜勤だっけ」という涼太の台詞もあるので、
お互いに余り干渉し合わない関係なのだろうか。
その割には美晴が時田に会いに行った初回は、夕飯を用意して
出てきた様子だったが。
涼太と別れて時田に、というつもりだったが
事こうなっては時田にもいけない、という美晴を少し見直しかけたが
どっちも選べない、どっちを選んでも後悔するという理由が
独りよがりで自己中に思えた。
「もう会えない」と言い出すのも、
結局涼太の言う通り何も言わないで終わってしまうことになって
逃げてばかりで相手の気持ちを考えず、無責任だと思った。
7年も付き合っていたら結婚してたようなもん、という涼太の言葉は
そのとおりなのに、「なんで今言うの」は完全に八つ当たりである。
時田も、面と向かって涼太に挑むような真似をしておいて
「美晴さんを幸せにするのは俺じゃない」発言、
人の女に手を出しておいて涼太に謝るわけでもなく
美晴との責任を取るわけでもないのは酷い。
涼太について
普通に良い子
「ただいま」と大声で言いながら帰ってきておいて
「起こした?」と言うし、お酒に弱くて比較的調子の良い性格なのかなと。
そんなに酔っ払って寝ているところを叩き起こして
ひとりでお風呂行かせる美晴はちょっとどうかなと思ってしまう。
このタイプの人は風呂の中で寝て溺れかねない。
(経験則。随分静かだと思って見に行ったら湯船でぶくぶくしていた)
基本的に「ただいま」が言えるし、
美晴の靴擦れを見つけて「怪我してる」と気がつけるのも偉い。
恰好良く膝をついてからのアロマ・キャンドルを吹き消すシーンでは
思わず笑ってしまった。
ムードは感じてくれないものの、良い匂いだってことはわかってくれるだけ
良い子。
スマホの待受がバイクなのが、乗っているというキャラ設定なのだろうか。
ドラマの中では特に触れられていないが、ちょっといいなと思った。
女友達と手を繋いだり腕を組んだりさせず
リュックしか掴ませてないのは涼太の誠意なのかなと思って見ていたし
ジュエリーショップから出てくるので美晴への贈り物を
女友達に選んで貰っていた的な王道パターンなのかなと思っていた。
個人的には女友達に選ばせるのはNGである。
が、相談していたのは仕事上の店選びのみだったようで安心した。
SNSで感想を見かけていた時にはダメ男だけど同情されても良い
感じなのかなと思っていたが
いざ自分でドラマを見てみたら普通にただの良い男でしか無かった。
だらしなさについて
服を脱ぎ散らかし、食器も片付けないのは腹も立つが
正直、それをやらない男は存在しないと思っている。(経験則)
米粒を茶碗に残しているところは嫌だなと思ったが
靴下を丸めず真っ直ぐな状態で脱いでいるだけとても偉い。
(これは流司くん本人の習慣かなと思うが。)
美晴は涼太に対して酒臭いと言うし
1話で汚そうに靴下をつまんでたものの、
脱ぎたての靴下握ったままハグしているのがちょっと違和感。
実際は臭う場合その高さに靴下を持てないと思う。笑
2人は家事分担をどうしているのか謎だけれど
特に分担していない感じなら、外で食べてくるかどうかなど
言い忘れていてもそこまで問題ではない。
比較的仕事もハードそうだし、ソファで寝落ちは体が心配になるが
そこまで腹も立たない気がする。
疲れていて酔っ払っている状態で、10分で終わってしまうのも
仕方ないと思う…。
無理矢理で独りよがりなら嫌だけど、美晴の様子を見るに
単に早いだけで乱暴では無さそうだし。
ムードを作りたいならアロマなんかより
一緒にお風呂に入るとかの方が
中で涼太が寝てしまわないように見張ることもできるし現実的だ。
不憫な涼太
美晴は一度も涼太に自分の気持ちを伝えないまま
別れを勝手に決意して、「最後くらい言わなきゃ」と言っているが
最後しか言わないのは卑怯だ。
しかもそれもまともに言わない訳で。
仕事も次のステップに進み、負担も増えるだろうがやる気満々で
やっと収入も安定するからと密かに指輪を見に行って
いつプロポーズしようかと悩み、沙代のアドバイスを素直に受けて
朝帰りと思われる美晴を待ち受けてプロポーズ。
まさか断られ、しかも理由も言ってもらえない。
ショックを受けつつ、帰ってこない美晴を探して、
沙代の家にいるのではと迎えに行く。
いたれりつくせりと言っていいレベルで優しい。
そこで男と手を握り合っているのを見せつけられたら
ブチギレても仕方ない。
それでも尚、第一声は説明しろと要求する。
これに対する時田が最悪だ。
新カレ気取りで感じが悪いし、恋人の存在を知っていたと言ってくるのが
喧嘩を売っているように聞こえる。
7年も同棲していたら一般的には結婚しているも同然と扱われるし
涼太は訴えれば慰謝料を取れる可能性は十分にある。
瞬間的に頭にきて殴りかかろうとするのも理解できるし、
美晴に止められて踏みとどまれるのも
美晴への愛情なのか、惨めさに気が付いたのかわからないが
人として偉いと思った。
「最後までなんにも言わないんだな。
オレはおまえに言えないことなんてひとつもないよ。今も昔も」
この台詞は泣けた。
椿が助言として、
涼太にも悪いところはあった
美晴に悲しい思いをさせてなかったか
と言っていたけれど、涼太は浮気されるほどのことはしていないだろう。
美晴が未遂だったならまだしも、流石にこれは涼太が可哀想過ぎだ。
一線を越えるのはいくらなんでも帰還不能点だと思う。
なんだかんだで美晴が家に戻ってきた時、
「おかえり」と言える涼太の度量がすごかった。
この時点でなんの説明もされていないからはっきりはわからなくても
最悪確実に浮気されているというのは覚悟もしていたはず。
それでもおかえりと言えて、美晴に謝るなと言い
更に自分は「多分お前のこと傷つけてた、ごめん」と謝って、
「全部話そう」と言える男気と包容力。
しかもプロポーズを取り消す気もなく、指輪はちょっと待ってと
笑いながら話をする。
涼太が優しいからって、美晴はその話をよく笑って聞けるなと
思ってしまった。
値段のことを話して欲しくないと言うが、今までも
家計は一緒にしていなかったのだろうか。
今後のことを考えても、値段は重要なところだと思うのだが。
涼太が可哀想で恰好良い、というのがこのドラマの主な感想である。
美晴はやめておいたほうが良いと思うぞ。
流司くんのお芝居の話
美晴からネックレスを突き出されたとき、
いち早く事態の深刻さを察している口元。
「冗談きつい」という言い方が、言葉ではそう言いつつも
美晴が本気で断っているというのはわかっていて、
混乱していて、それでも真剣で、という
何も知らずにいた『惨め』な涼太の真摯な態度の表現が素晴らしかった。
沙代に対する、懐っこくもややよそ行きな、
彼女の親友に対する態度も良かったし、
時田と美晴を見つけてつかつかと歩いていく姿が
遠目からの映像でも抑えた怒りが伝わってきた。
時田に殴りかかる姿、やめた後の自嘲、
美晴への台詞が痛々しくて泣けた。
これまで何も言ってこない美晴に対して、
今まで涼太は涼太で
言ってきてくれない、心を開いてくれていないのかな
というような悩みもあったことを思わせるし
この期に及んでも美晴に対して誠意の有る態度だった。
自分はずっと真摯でいたはずなのに、裏切られていた。
「美晴は違ったんだね」は捨て台詞でもあるが
涼太のショックの大きさをも物語る。
悲しさや怒りや全てを内包した声音が秀逸。
美晴のネックレスを怒りで投げ捨てることもせず
ずっと持って悩んでいる姿も切なかった。
椿のアドバイスも、初めは「あ、電話か」という顔で、
でも、と会話の内容を気にし、考え始める表情が良い。
ネックレスを爪の跡がつくくらい握っていたのもきゅんとくる。
涼太の役は等身大の普通の男性で難しかったと感じたそうだ。
確かに流司くんの役は普通の人間ではないことの方が多かったし
普通の人間でも芸能界を目指しているとか、学生とかホストとか
というパターンで、サラリーマン的な本当に一般人な役は珍しい。
流司くん自身普通の経験はほぼしてきていないだろうし、
等身大の20代男性の姿というのは、
自分をどこまで出して良いのかという点も含めて
役作りも難しかったと思われる。
前向きでちょっと雑かもしれないが、包容力のある良い子を
見事に演じて下さったと思う。