日に流れて橋に行く 12 感想

御一新前は許容された経歴が、時代が変わって
通じなくなる。
仕方ないと言ってしまえばそれまでだが
今継続して許容されないことをしている訳でもないのに
責められ続けるのも違う気がする。

卯ノ原さんはキラキラしていて良いな。
無くても困らないものだからこそ。
コロナ禍で不要不急と言われエンタメが排除されたが
不要ではないと思ったし
そういうものこそが人生を豊かにすると思う。

呉服店で働いていたら使用人と同じというのは
それこそ時代が変わって許容できない考え方な気がするのだが。
未和さんがしっかりしているのは良いのだが
世間知らずのお嬢様ではある訳で。

”今よりも少し上”を目指すのが成長
というのは真理だと思う。
一足飛びの目標を立ててしまうと、
バテたり見失うこともままある。
ちょっと良い物を買って、それに見合う自分になりたい
と思うことも成長だというのも確かにそうだ。

牛島さんの件を本当に気にしているというより、
それを言い訳に離れているパターンも相当多いだろう。
それだけに、ショーウィンドウの中でテキパキ働く
女性である卯ノ原さんが
次々素敵なコーディネートを生み出し
それに女性たちが見惚れる姿にぐっときた。

休業と言いながら客を招き入れる時に
「特別なお客様へのご案内は別枠」と言い添えるのが
流石鷹頭だ。

同世代の男女が肩を並べて話す機会もまだない時代。
卯ノ原さんは本当に最先端の場所で働いているなと思うし
鷹頭がいなくなっても自力で泳ごうとする姿が眩しい。
「悪くない」ではなく「よくやった」を引き出す
成長も目覚ましい。

舞台は客が作るとよく言うが、
百貨店というのもまた舞台であり
客がつくるものでもあるのだな。
体面を重んじる古い時代の客が離れても、
男女平等で洋装にも興味があって
ちょっと素敵なブローチを買って
毎日洋装にも和装にも大切に使うような若い人が
新しくお客さんになってくれるだろう。