さんかく窓の外側は夜 (10) 感想

全部壊れたら良い。
そう思う程の衝撃。
ヤクザが怖いと思う程の人殺しが
自分の父親だと気が付いたらなら
どれ程気持ちが落ちることか。

退避しないとまずいと思う状況で
今出たら駄目だと言う英莉可も、
ならどうにかしようとすぐ切り換える逆木さんも恰好良い。
「誰だって死とは繋がってるから必ず繋がる」。
非常に腹落ちした。
英莉可の気迫も半澤さんの安心感も凄い。
ゼロか百じゃない、と迎くんが言ってくれるのも良い。

追い詰められたかに見えて、三角くんが
「おまえとは血しか繋がってない」
と返せるところに痺れた。
「おれのほんの一部だ全てじゃない。
そんなモンよりもっと強いものをおれは持ってる」。
そして思いをぶつける姿が、母親への愛と
満たされなかった父親というものからの愛への羨望も感じた。
父親の選択がとても幼すぎるのだ。当時も今も。

それに対して「おれは全部試す」が恰好良い。
やっぱり母親が信じてくれているというのは強いな。
「あの人の信念の証明」という表現も良い。

意志を無視するなら従わないし
終わりにしたいなら許せないしついていかないけど
止められない。
誠実に向き合う三角くんが、早川さんの
「そばにいてほしい」という言葉を引き出した。
それを聞いて
「だよな。あんた、おれといたら怖く無くなるぜ」
と笑って返すところが最高だった。

半澤さんが冷川さんに謝るのも、
冷川さんがずっと助けてもらっていたことに気づけて
そう言葉に出せたことも泣ける。

契約を破棄した上で今まで通り一緒にいる選択が
三角くんらしくて良いラストだった。