文庫版 鉄鼠の檻 感想

活字中毒の自分ではあるが、流石にこの分量は
読むのに骨が折れた。
内容は面白いので読み進めるのは苦ではないが
読了までに兎に角時間がかかる。

言葉選びが秀逸で、得体のしれない恐ろしさに
ぞくぞくする。
着物を着ている描写に『ぞろり』という言葉を使うなんて
凄いセンスだ。
雪がどさりと落ちる描写が度々出てくるのも、
慣れてどうせ雪だろうと思っていたら違うという状況が
いつやってくるだろうかと怖怖読み進めた。

禅と瞑想は別物という言葉になるほどと思った。
確かに特に英語では一緒くたにされがちな気がする。

束縛なくして自由はない、檻がなくては檻か出られない。
檻から出たいなら先ず檻を造らなければならない。
哲学というかそんな馬鹿なと思いはしたが、
確かにそうかもしれないと思い直した。

最初に思ったより壮大で深い闇の物語だった。