テレビ演劇 サクセス荘 第1回「サクセスの夜明け」感想

都会の片隅にひっそりと佇む一軒のアパート「サクセス荘」。
そこには、“ひと旗あげたい”と成功を夢みる若者たちが住んでいて、いつか必ず夢を叶えて巣立っていくという伝説があった…。
そんな「サクセス荘」に新しい入居希望者がやってくる日、突然の雨漏りが。住人たちは右往左往していた。そんなドタバタの中、いよいよ入居審査が始まる…。
NGなし、アドリブあり、毎回巻き起こる予測不能な展開の“テレビ演劇”が開幕!

https://www.tv-tokyo.co.jp/success_sou/story/01.html

テレビ演劇というジャンル

新しい挑戦

テレビ演劇というジャンルが、演劇好きの自分としては
とても面白いなと思ったんですよね。
実際見てみて、期待以上に面白かったです。

テレビって始まった時は生放送が基本だった訳で
ドラマもバラエティも全部一発勝負だった時代があるじゃないですか。
今だとニュースとか歌番組とか一部のジャンルのみです。
そんな時代に、生放送ではないにしろ、
一発勝負でドラマを描くという試みが凄いですし、
単純にテレビドラマではなく演劇をしてくれているのが最高でした。
ストーリーの深みや映像美を楽しむのではなくてライブ感や雰囲気を楽しむ。
一周回って新しいです。
ちょっとシットコムの側面もある気がしました。
何より平和な気持ちで見られる(演者の方々は大変だと思いますが)
のが嬉しいです。

 

演劇に興味がない人にも見て欲しい

ただ、リハ一回だけでアドリブありの一発撮り、通しでお芝居をするという
難しさや楽しさが、その言葉だけの説明で
演劇がわからない人にどれだけ伝わるのかな? というのが不安でした。

2.5好きな人が役者目当てでしか見ないのだとしたら本当に勿体無いです。

 

本編 感想

役者さんがみんな魅力的

私はムーさんを演じた玉城裕規さんは存じ上げなかったのですが
ムーさんのキャラがあまりにキュートでドハマリです。
インタビューなどを読むと、リハの段階ではあんな喋り方じゃなかったそうで。
急に喋り方を変えてこられても、周りも対応しないといけないのが
テレビ演劇の怖さであり面白さでもあり。

物を食べながら芝居をするのってなかなか大変で、
舞台だと食べているフリをするだけなことも多いと思います。
やっぱりもごもごしちゃうし、食べる行為によって気が散っちゃうし。
和田さん演じるゴーちゃんがパンを食べながら、途中でやめたりして
調節して頑張って台詞を言っているのを見てドキドキしちゃいました。
自分だったらお芝居しながら食べるの絶対嫌です。笑
おまんじゅうとか一口で食べられるものならまだしも。

有澤さん演じるアンテナ君がのっけから噛んでしまうのも
見ていてはらはらしつつも面白みでもあります。
ビンビンってどっちの言い方の方がいい? って訊かれて
「そんなんどうでもええわ」じゃなくてちゃんと答えてるゴーちゃん優しい。
ムーさんがこれ使ってって数珠?を渡してきたときも
「いいの? 借りて」って言い方だったけど、どこまで台本なんでしょうか。

ミスターは今回出演していないけれど、小さいビニールプール
なんで持っているのか気になります。笑

定本さんを初めて見たのが 映画刀剣乱舞 の骨喰ちゃんだったので
あまりの美少女っぷりに絶句したのですが
(いくらメイクやカラコンをしているとは言えアップでも負けない
キャラ設定通りの儚げな美しさを体現されていて吃驚でした)
その整ったお顔で真面目そうな感じもそのままなのに
「はい邪魔」ってユッキーさんを結構強めに叩いたのもなんだかツボでした。

 

英国貴族という設定

荒牧さん演じるサーだけ、明らかに夢の設定が可笑しいです。笑
英国貴族ならバロンとかロードとかじゃないの? と思ったけど
準男爵の敬称としてサーを使うこともあるんですね。
まぁどの階級を目指すのか、目指せても一代限りじゃなくて? とも思いますが
そんな細かいことはどうでもいいやつですね。
アンテナ君が左手を出していて、左手で握手はできませんって断るかと思いました。
ちょっと間があったので迷っていたのかもしれませんね。

紅茶はイングリッシュブレックファストを希望して、御意とムーさんが言う
やり取りがとてもかわいかったです。
Twitterを見ていたとき、意外と知られてないみたいでしたが
イングリッシュブレックファストは本当にある種類です。
このブレンドティーにイングリッシュブレックファストという名前を付けたのは
イギリス人ではないですけど。

本人なりに真剣に目指してはいるけど無知なサーの役作りなのかも。

 

停電でわたわた

停電の理由によってはブレーカーあげるって問題じゃないのでは
とちょっと心配になりましたが。

停電中みんながゴーちゃんの上に座るというボケがありましたけど
芸人を目指しているキャラなだけで本当に芸人さんでもないのに
和田さんがちゃんとノリツッコミしていて素ですごいと思いました。
大阪出身だからこそやれるのかな。

定本さん演じるチャップが、アンテナ君に言われた通り
ちゃんと動画撮りながら「ビンビン」も言ってるのが面白い。
元気出る、って言わされてるわけじゃない感じで言うのも可愛いし
コンビ組むか、と言うアンテナ君も、いいねって返すチャップも可愛い。
で、アンテナとゴーちゃんが「電気ありがとう」ってちゃんと言ってるのが
また可愛いんですよね。

 

入居審査

サーをサクセス荘に入居させるか否かを話しているときに、
「英国貴族が夢なんてふざけてる」じゃなくて
「本気でなりたいなら良い」ってなんだか優しいなぁと。
これは脚本なんでしょうかね。ほっとします。

大家さんのところに行くのに馬で行く様子のサー。
それを聞いて、合格じゃない? と言い合うみんな。
これ、間のとり方滅茶苦茶難しそうです。
馬を町中で乗り回すのも飼うのもすごく難しいと思いますが。笑

カットがかかった直後みんな黙ってしまって、
和田さんが乾いた笑いって突っ込んでるのも素っぽくて面白かったです。

 

(追記) Amazon Primeの反省会を見た感想

反省会含めて一個の作品

一発撮りの難しさ

反省会含めて一個の作品という言葉がありましたが、本当にそうだと思います。
2話以降も、短いダイジェストでいいからテレビ放送のときにも
反省会つけて欲しかった。
じゃないと、役者さんたちがどれだけ大変なことをやっているのか
イマイチ伝わらない人もいるのじゃないかと思ってしまい
そこが兎に角勿体無いです。
面白さが演劇を普段見ない人にも伝わっていたら良いのですが。

ランスルーと比べてどうだった、というのも面白そうですし
松田さんが「DVDとかでランスルーバージョン見てもらって」って
仰ってましたが、リハと本番と反省会と脚本とYoutubeセットで円盤出して欲しいです。

ランスルーで5分短かったから伸ばさないと、とか尺も考えて
やらないといけないの本当に大変そうです。
ドラマなら編集してもらえるし、舞台なら稽古で合わせていけるのに
実質二回しか出来ないんですもんね。

 

演技の難しさ

やっぱり難しい貴族設定

荒牧さんご本人もやはりそう感じてらしたんですね。笑
停電のシーンでライトが当たったときなんかに汗かいてるなーと思ってましたが
ご自身もめっちゃ汗かくって仰ってて笑ってしまいました。
何度も稽古をして立つ舞台や、取り直しの効くドラマなら兎も角
自分の中でも固まらないままですからそれは変な汗もでますよね。
でもムーさんは、サーのキャラはランスルーからぶれてないって言ってましたね。

 

噛んでもやり直しできない

兎に角必死で繋げることを考えていて覚えていないと言う和田さんと定本さん。
有澤さん、はけようかとかあの一瞬で考えたんですね。
YouTube、動画投稿なら問題ないでしょうけど生配信っぽい体ですし
どっちみち噛んでもやるしかないですもんね。
ガチ反省してるのがなんだか有澤さんっぽいなと思いました。

 

ドラマと舞台の演技の違い

和田さんがバナナの皮で滑るの下手だったと反省されていて
真面目だなと思ったのと、下手だったねって荒牧さんがサクッと言っちゃうのが
二人の仲の良さとか真面目さとかリハはちゃんとうまかったとか
色んな物が垣間見えた気がしました。
左足と右足を本番では違う方で滑っちゃったということですが
松田さんが言っている通り舞台では致命的な失敗になったのかもしれませんが
全然下手に見えませんでした。
カメラでそこを抜くこともできるテレビと、遠景で見ること前提の舞台では
やっぱり演技の仕方が異なりますよね。

 

未完成ドラマ

最初から完璧なものは敢えて見せない
タイトルを未完成ドラマにしよう
一回一回進化するのがサクセス荘、なんて話がありましたが
普通のドラマだと思って見ちゃうとできが悪いとか
普通じゃんなにが難しいの? ってなっちゃいそうですよね。

2話目から合流する寺山さんのハードルをあげている松田さんSです。笑
そこにいて、自分はやっていなくて、次は自分がこれをやるんだ
って思って見ているのって緊張するでしょうね。
「そんなスキルないです!」って言いに来てるの笑いました。

 

インプロのセオリー

相手の言うことを否定しないっていうルールでやっていたっぽいですね。
脚本がどの程度しっかりあるのか見えてきませんが
少なくともアドリブをちょっと入れる程度ではなく結構ぶっこむとしたら
その部分はインプロ(即興劇)状態になります。
しかも脚本の本筋に戻れる程度の脱線に押さえなければなりません。

インプロと言ってもただ自由にやるだけでは破綻してしまうので
一定のルールがあって、相手の言うことを否定しないというのは
「Yes and」っていうやつなんですよね。

相手が言ったこと(オファー)を基本的に否定しないで、
受け入れて更に新しいオファーを追加していくことで物語を進めます。
今回で言ったら、たとえばムーさんがゴーちゃんに占う? って言って
嫌だやらないじゃなくてやってみるとかですよね。

否定しないって簡単そうですごく難しくて
自分の中での予定が相手によって崩されても
瞬時に受け入れてそっちのパターンで作っていかないといけないから
本当に瞬発力や演技力が求められます。
流石プロの舞台役者さんたちだなと思いました。