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ネタバレあり感想走り書き

ゴジラが来た時島の人間はどうしているのか。
当然反撃はできないだろうし、どこかに避難しているとしたら
軍隊の人間だったとしても到底勝てそうにない謎の生物相手に
攻撃を仕掛けて余計を怒らせて呼び寄せるよりは
避難しておいた方が良いのではないだろうか。
にもかかわらず敷島に攻撃するよう求めるのは
敷島の命をいたずらに危険にさらすようなものだと感じたし
あそこでたとえ撃っていてもどう考えてもあの機銃では倒せない。
橘の気持ちはわからないではないが、八つ当たりだろう。
死んだ仲間たちの写真を押し付けてくるのはなかなかエグい。
自分だったら嫌がらせのようにそんなことをするより
自分が持っていて遺族に返すなり供養するなりしたいところだ。

そこまでのリアリティラインは非常に低かったので
銀座で典子を敷島が見つけられるのはまぁ良いとして
葬式まで上げているから遺体が見つかったのだろうかと思っていたが
諦めるにしてもそこまでの日数経過があったようにも思えず疑問が残る。

録音した鳴き声をスピーカーで流して縄張りを侵されたと思わせよう
という作戦だが、自分の声を別個体のものと聞き間違えるのもそうだし
そもそも別個体がいるという考えから作戦を立脚しているところも解せないものがある。

東洋バルーンの人たちが、「自分たちも戦争帰りだ」と
乗艦を決めるところはぐっときた。
水島とここまで一緒に作戦を準備してきたのに
前日になって乗せないと言われるのは辛いと思うし
何とかしたいと思うだろうとは思った。
勝手に船に忍び込んだり、彼の単独行動が元で作戦が失敗したり
という展開にしないでくれたのはとても良かったと思う。

作戦に出る前にみんないい顔をしている、今度は役に立てるかもしれない
という思いがあるというシーンがあるのだが
ここには違和感があった。
役に立てなかったというのは何を指しているのだろう。
前回の作戦の失敗を示しているのだろうか。
それとも戦争に負けた件を指しているのだろうか。
冒頭でもう敷島が澄子になじられるシーンがあるが
結果がどうであれ命がけで戦地に行っていた人に
ましてや個人の力でどうにもならないことだったろうに
お前たちがだらしないからこんなことになったのだという発想になるものなのだろうか。
陰口を叩くのはまあわかるが本人を目の前にしてもそんなことが言えてしまうのだろうか。

無粋にならない不親切な作りは良い。たとえば敷島の置き手紙を読み上げたり、
敷島のアフレコが入ったりせず、手紙の文面を読み取るしかないようなところは好きだ。

ゴジラが四散した後、皆が敬礼をするシーンは自分は納得いかない派である。
敷島に対してなのであれば、彼が無事であることが確認できる前のタイミングで
入れた方が良かったシーンである。
そもゴジラに機体が噛まれているのであの時点で脱出することは不可能で
突っ込む直前なのだろうがであれば発出されたことが視認されているはず。
更にあの至近距離で爆風を受けて濡れました程度で敷島が済むはずもない。
調べたところ、ノベライズ版によるとゴジラに対しての敬礼と明記されているそうだが
ここまでの描写で敬意を払うような対戦相手との思いを彼らが抱くようには受け取れなかった。

典子の首の痣は、G細胞の侵食と見るのが妥当なのかなとは思う。
そうでなくともあの至近距離で核の影響を受けていないはずはなく、
それは典子だけ限らない話で、シンプルなハッピーエンドとはとても思えない。
芹沢博士のオマージュ説は面白いなと思った。