1ページ目から中々ショックなビジュアルからの始まり。
メイクをすることで『誰かのカノジョ』になる。
武装して違う自分になる。

壮太を見て「愛されて育ったんだな」と思う雪の気持ち
とても良くわかる。
壮太の友達の達也は両手に花だと言ったり
雪の服がエロいと言ったり、しかも「俺誘われてる?」と言ったり
ものすごくそこらへんによくいるクソ男子でめちゃくちゃリアル。
初対面の人の服装にケチをつけるなんて、僻みだろうが麻里にも窘めない達也も最悪。
壮太も謝ってくるだけマシだがその場で何も言わないし
「一回も素で話してないよね」って仕事で来てるんだから当たり前だろう。
仕事で会っていたのにプライベートで話しかけられて
「冗談だって謝ってたよ」とか見当違いだし
触ってくるし、気持ち悪い。
愛されて育って人に嫌われたことがない人間なのだろうなと思う。
雪がしっかり、冗談を免罪符にするな、と自分が読みながらイライラしていたことを言ってくれてすこしすっきりする。

育ちが良いから謝ろうともう一度予約を入れるし、
スマホの修理代を出すというし、居酒屋のバイト程度で生きていけるのが普通だと思っている。
旅行のプランをちゃんと立てた!と言って定休日も調べていない。
失敗しても怒られない環境で育ってきたんだろうな。

金を払って相手してもらっているのに自分が上だと思っているおじさんたち、一体どういう理屈でそう思えるんだろう。
心も体もお金では売らない、という雪ちゃんは恰好良いと思う。
迷う気持ちもありつつも壮太をNGにするのも
相手の要望に従って服やキャラを変えるところも
プロとしてきっちりしている。