髪を伸ばすのは大変
ヘアドネーションを始めてこれまでに2回寄付をした。
今は3回目に向けて伸ばしているところ。
元々ばっさり切ることが多くて、
真夜中にふと思い立ってロングを自分で切ってボブにして
次の日学校で「あの時間(講習後19時過ぎ)から美容院なんて開いてないよね?」って驚かれるとか
そんな感じで。
切った髪はどうせ捨ててしまうものだけれど、やっぱりそれなりの長さがあると
美容院でも「本当に切っていいの?」「なんか勿体ない、切った髪持って帰る?」
って毎度言われていた。
だから、それが誰かの役に立つかもしれないので欲しい
という団体があるのなら渡りに船だと思った。
とは言え、好き勝手自分のタイミングで切ることができなくて
所定の長さ以上伸ばすのは意識してみると結構大変だ。
頭も重いし、切りたい時期と切れる時期が一致しなくなる。
束ねていない時は本当に邪魔だし自分で自分の髪を引っ掛けることがあるし
何より面倒なのはヘアドライだ。
20分はかかるのがうんざりする。
ヘアドネーションは罪なのか
1回目のヘアドネーションをしたのはNPO法人 JHD&C。
その団体代表理事の、気になる記事を見つけた。
ヘアドネーションという罪。「いいこと」がもたらす社会の歪みについて
https://laundrybox.jp/magazine/hair-iikoto/
自分の理解からすると、ウィッグは非常に高価なものだ。
欲しいけれど値段のせいで購入できない人が無料でもらえて、
その材料が必要だという話だと思っていたから、
自分に協力できることだし是非しようと思って始めたことだ。
個人的には人毛である必要があるのか、
品質にばらつきがあるのではないのか、
髪を回収選別、洗って染めてといったコストを考えても
意味のあることなのか といった疑問はあるものの
欲しいというなら取り敢えず送ろうという気持ちである。
例えるならフリーマーケットに近い気持ちだ。
自分にとっては不要でも、必要な人がいるならWINWIN。
フリマと違って金銭はこちらの手に入らないが。
この記事でまずもやもやするのはここだ。
寄付している人はそんなにみんな「ヘアドネーションはいいことだ」と思って
やっているのだろうか?
アンケートでいいことか悪いことかと訊かれたらいいことと答えてしまうのではないか。
『かわいそうな髪の毛がない子』ありきで報道したいメディアの問題はあるが
そんな美談に踊らされた人が自己満足のためにしているとはあまり思えないのだが。
何故なら先程書いたとおり、地味に大変だからだ。
「あー、あたしいいことしたわ」と自分が気持ちよくなる為だけに
髪を伸ばすのはコスパが悪過ぎる。
そもそも「いいこと」で何が悪いのかと思う訳だ。
「喜ぶに違いない」と思う理由は別にこちらが勝手に思いこんでいる訳ではない。
材料が欲しい、くれたらこんなことができるというので寄付しているだけで
それを信用していたらそれは「役に立つと良いな」と思うに決まっている。
なのに言っている団体サイドの人間がこんなことを言うというのは
正直随分ご挨拶だなと思ってしまう。
『99%くらいの方が髪の毛があるのが普通の社会』というこの割合が
どういうソースの元に語られているのかわからないが
病気以外にも髪の毛が無いことで困っている人はいるし
職場や学校のルールなりで好きな髪型にできないケースもあろう。坊主を強いられたり地毛なのに黒染めしたり。
髪の悩みがある人が1%しかいないということはなかろう。
何より記事にある通りマイノリティ云々というのは
『髪の毛に限ったことではない』。
昨今マイノリティ云々という話を見かけることが多くなったが
それなりの割合で『お気持ちヤクザ』率が高い印象だ。
結局マイノリティである=可哀想 と言っているのは
マジョリティ側ではなくマイノリティ側ではないか。
マイノリティであることを印籠にして、自分達は可哀想だから同情するべきと我儘を通そうとするケースが散見される。
大体人はマイノリティかマジョリティかどちらかに割り振られるものではなく
この部分ではマイノリティでもこの部分ではマジョリティと
いずれかにその時々で属しているものではないのか?
『生まれた時から下駄を履いている』というが
『マイノリティである自分とそれ以外』という見方をするのは間違いだ。
無意識の差別という問題について言いたいことは分かるが
マイノリティであるという思い込みから追い詰められているだけで
やってみたら『ウィッグを外しても親友の態度がなにも変わらなかった』
なんてことも普通にあるのではなかろうか。
理由が病気だと聞いて笑う人なんてよっぽどだし
笑うとしたらそれは友達ではない。
髪のない自分が嫌だから隠したくてウィッグをつける人も
それはいるのだろうが
おしゃれを楽しみたくてつける人もいると思うのだが違うのだろうか。
そう思うからこそ自分は、できるだけ長い髪があった方がアレンジできる
長さのウィッグが作れると思って、頑張って伸ばしていたのだが。
『善意のマウンティング』という言葉自体も嫌いだが
それは髪の毛を寄付している人とウィッグを受け取る人とは別の話だと自分は思う。
問題提起するなら取材してくれた時にメディアに伝えて、意に反する報道をするなら取材を断り自サイトで正しいと思うことを伝えようとすればよかったのでは。
この記事を読んで、
この社会は非常に歪んでいます
この国には家父長制をはじめとした無意識の差別が存在します。
を始めとした違和感のある言葉が非常に多かったので
この団体代表理事の方と自分は考え方が合わないということはよくわかった。
日本が嫌いなんだろうな。
次回はジャーダックではない団体へ寄付しようと思う。
折角苦労して伸ばした髪を、善意のマウンティングで差別への加担なんだけどな
と思いながらウィッグを作って配られても何も良い気がしないから。
切った髪を捨てるならくれという団体があるなら渡すしいなければ昔のようにただ捨てる。
別に良いも悪いもない、それだけのことだ。