銀の匙はとても好きだったし、
基本素材としてはあの漫画もこのエッセイも同じなのだが
すくい上げる部分が違うので、
銀の匙には一般に受け入れられやすい描き方で
うまく選定して入れていたのだなと感じる。
エッセイなので当然だが、だいぶ生々しいし乱暴である。
ギャグとして描かれているのでさっと読めることは読める。

引っかかったのが、牛の角切。
「可哀想だけど仕方ない」で
少なくとも読者サイドが流して良い問題ではないと思う。
レビューでもいくつか見かけたが、麻酔をかけたり薬を塗ったり
角カバーをかけたりと他にもやり方はある。
1巻でもこれがイコール農家だと思われては困るという感想を見かけたが
2巻も同様で、うちも農家だけど麻酔もかけずに切って焼くなんて普通じゃない
という感想を見かけた。
勿論コストが一番かからないのはこのやり方なのだが
いずれ殺すからと言って余計な痛みを与えて良いことにはならない
というのがやっと少しずつ広まってきた動物愛護なので、
農家のことも考えず動物愛護団体は迷惑、とかではなくて
コストを農家さんがかぶらずに済んで牛も無駄に辛い目に遭わない方法は
農家に関係ない読者も考えていけたら良いのではと思う。