紅牡丹が、別れを悲しみ嫌がるのではなくて
「別れにお泣かせする ことになるのなら
それに勝る幸福を姫に捧げなくては
彼女にそれをして差し上げられる紅茶王子が
私だけだということが誇らしい」
と言っているのが驚いたし、そう考えられる彼が羨ましいと
自分もセイロンと同じように感じた。

「後ろめたさを消す行為というのは
時として肩の荷の押しつけ合いになってしまう」
というのも印象的な言葉。
重荷を別の誰かに移動させているだけ、ということは確かにあると思う。