ネタバレあり

ドラマが面白かったので手にとった。
ドラマは結構アレンジをしていたようだ。

仁先生がとても強い。
自分だったら、現代じゃないかも、とまでは思うかも知れないが、どう見ても江戸時代と思えない気がするし
教科書レベルの知識にしても、全部暗記していてぱっと思い出せるのがすごい。
戻りたいとか立ち止まるのではなくて
ここでできることを、と考えるところも流石だ。

自分が不審がられている状態で、
お母さん、お手伝いをと声をかけられるメンタルは
医者ならではの冷静さなのだろうか。

麻疹の治療のシーンで自分の言うことに反発している訳でもないのだから
魔除けの御札をわざわざ破らないでもいいのにと思った。
人が信じているものを否定する必要はこの時にはなかったのに。

折角助かったお母さんが結局死んでしまったとき、喜市の「先生には悪いけど助からなければよかった」という台詞はきつかっただろう。
自分はなぜここにいるのかと考えるだろう。
なんのためにここに、と自分が遣わされた使命を考えるのもちょっと特殊だと思う。
事故のようなものに巻き込まれている状態でそんな思いに至るというのは、何かの意志でこうなっているという予感が当初からあったのだろうか。

勝海舟との出会いについて、
個人的には勝さんや坂本龍馬さんは
今一般に思われているイメージは創られたものだと思っているので、描かれ方にもやもやするところはある。
仁先生が未来から来たから先進の技術を知っているという、説明しなければ納得できないが
したところで信じてもらえないだろうことを
勝さんが「南方先生のことは御公儀の秘密」ということで黙らせるシーンが良かった。