もし、ゾンビが町を歩いていると言われたら、どうするだろうか。
自分なら、家に閉じこもるだろう。
食料が家になくなり外に出るなら、出来る限り武器と防具を揃えて出て
手早く食料を得たらすぐ戻る。
噛まれたら、どころではなく、
家の中に入る前に体や持ち物を消毒するだろうと思う。

はたらく細胞 という漫画の中で、インフルエンザが
ちょうどゾンビみたいな描写で、正常な細胞が冒されていく様子が書かれていた。

ウイルスは目には見えないが、もしこの漫画のような感じで
コロナウイルスがヒトガタになって
町中を歩いていたら誰も外へは出ないだろう。

普通のウイルスならまだしも、治療薬がなく
噛まれたら感染するゾンビと違って同じ場所にいれば感染する可能性があるのだから
ゾンビよりよほど厄介な存在だ。


自分の家では、父親が絶対だった。
父親の決定に家族は従う。自分の自由に出来ない反面、
家族という集団の統制は取れやすい。
学校が学級閉鎖や休校の連絡をしてこなくとも、
父親が危険だと判断したら学校を休まされていた。

大きな地震が起きた時、居住地はそこまで酷い揺れではなかったが
海から近かったので、父の一声で家族で車に乗り
念の為山の方まで避難したこともあった。
結果、津波はこなかったわけだが、避難して様子を見た行動が
馬鹿だったとはけっして思っていない。
念の為である。

ノアの方舟というわけではないが、備えあれば憂いなし。
たとえ無駄になろうとも、備えておくのは良いことだと思う。
そしてその基準を自分でジャッジするのも、大切なことだと思う。

多分今自分が学生であれば、休校になる前から
父親から登校・外出禁止令が下っていただろう。
家族/自分の身を守る為には当たり前のことだ。


急に休校と言われても困る、と政府に怒っている意見を時折見かけるし
自分も政府がまず水際できちんと防いでくれなかったことには不満がある。
が、事ここに至っては、蔓延しないようこうした決定がされるのは
当たり前のことだし、ここで収束に向かわせられなければ
『不要不急』に留まらない外出禁止が必要になることも十分考えられる。

ウイルスがもし目に見えるゾンビみたいな恰好で町を歩いていたら、
「なんで急に休校にしたんだ」なんて言うだろうか。
寧ろ国が決める前から閉じこもらないだろうか。
父親みたいな”リーダー”の代わりに国が決めているけれど
それは飽く迄も国を守る為だ。

頭を殴られそうになったら、大抵の人が腕で頭を庇うだろう。
それは別に、腕ならなくなってもいいから、ではない。
脳や心臓など、生命維持に必要な箇所を守る為には
切り捨てなければならないこともある。

ウイルスが日本に入ってきてしまった時点で、
切り捨てて、蔓延する確率を少しでも下げる ことに注力するしかない。
今はその段階なのだ。
いつ次の段階にいくかもわからない。

日頃から体力をつけて、水や食品の備蓄をし
もしもの事態に備える。
それが当然必要だったし、
今からできることは冷静に見極めつつ
自分で判断することだ。
国が国民一人ひとりを守ってくれる訳がない。
国は国を守るのだから。
自分や自分の大切な人を守れるのは自分しかいない。

そして、集団で暮らしている以上
自分の身を守ることが集団を守ることにも繋がるわけで。
今は兎に角不要不急の外出や無駄な買い溜めをせず
外出をしたら手洗いうがい。睡眠と栄養を取る。
具合が悪ければ無理をして外出しない。
咳や嚔が出るなら必ずマスクをする。
別に今に限らず、当たり前にやるべきことばかりだ。

『災害』を前に、人は結局できることなどそう多くはない。
多くはない中からできる限り最善を尽くして
収束を願うしか無い。