3月のライオン (15) 感想

零ちゃんもなんだかんだでクラスメートに馴染んできたみたいで微笑ましい。
ひなちゃんもつぐみちゃんだけじゃなく友達がいて嬉しい。
素敵なシチュエーションできちんと告白も出来たし。
確かに物語の流れ的に、零ちゃんとあかりさんなのかと
読んでいる側も思うことがあった。
ひなちゃんがそう思うのも無理はないし、
保護した猫のような気持ちで大事に思っていた零くんを
男の人として見るというのは難しくて
もっともっと大事な存在だっただろう。
ふたりの気持ちをちゃんと伝え合うことが出来てほっとした。

あづさ1号も面白い。
零くんの『敵』がいろんな人がいる描写が良いし
電車や水での戦況の表現が秀逸。
真っ黒い部屋などの表現も、羽海野先生自身が
こうやって真剣に向き合い藻掻きながら
この漫画を生み出してくれているからこそ
出てくる表現なのだろうなと思う。

田中さんも恰好良い人だなぁ。
この年齢で奥さんの仕事にも育児にも理解があって
積極的に関わってきた上で棋士としての結果を
出しているのは凄いことだ。

幸せを手に入れて、図太くなれたけれど
麻痺にも似ていて、ざりざりと身を削りながら
すぐにとぷんと集中できていたことができなくなって。
それでも「手放すな」と先生が力強く言ってくれるのがいい。
ハチクロでも、時間は有限でやりたいことは沢山で
人として幸せになることと両立するのも難しくて
という悩みが描かれていたなとふと思い出す。

勝つとか強いとか、そのゴールはどこなんだろう。
今だって十分勝っているし強いのに。
じゃあ名人になりたいのか、なったら納得できるのか。
息詰まりそうなところで感想戦がてらご飯に誘ってくれた田中さんが
お父さんを知っていること、下の息子が零ちゃんと同い年なことを言ったあと、
ぽそりと「ここまで本当によくがんばったんだな」
と言ってくれたところで泣いた。

失くしたものも失くしたくないものも、全部持ったまま生きていっていい。
罪悪感なんて覚えなくてもいい、幸せになって欲しいと思う。